2019年の主な地震活動の評価
各地震活動の評価は、発生後、1年程度の間に公表された評価内容をとりまとめたものです。
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A | 2019年1月3日、26日 熊本県熊本地方の地震活動 | M5.1, M4.3 |
最大震度6弱, 最大震度5弱 |
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B | 2019年2月21日 胆振地方中東部の地震活動 | M5.8 | 最大震度6弱 | |
C | 2019年5月10日 日向灘の地震活動 | M6.3 | 最大震度5弱 | |
D | 2019年5月25日 千葉県北東部の地震活動 | M5.1 | 最大震度5弱 | |
E | 2019年6月18日 山形県沖の地震活動 | M6.7 | 最大震度6強 | 津波を観測 |
F | 2019年8月4日 福島県沖の地震活動 | M6.4 | 最大震度5弱 | |
G | 2019年12月19日 青森県東方沖の地震活動 | M5.5 | 最大震度5弱 |
2019年1月3日、M5.1 [最大震度6弱]
2019年1月26日、M4.3 [最大震度5弱]
○ 1月3日18 時10 分に熊本県熊本地方の深さ約10km でマグニチュード(M)5.1 の地震が発生した。この地震により熊本地方の震央近傍で最大震度6弱を観測した。その後、北西-南東方向に延びる約5㎞の領域で地震活動が減衰しつつも継続している。2月11 日までに発生した最大の地震は、1月26日に深さ約10km で発生した M4.3 の地震で、最大震度5弱を観測した。
○ 1月3日の地震、1月26 日の地震ともに、発震機構は南北方向に張力軸を持つ型で、地殻内で発生した地震である。地震の発震機構と地震活動の分布から推定される1月3日の地震の震源断層は北西-南東方向に延びる左横ずれ断層である。
○ GNSS観測の結果及び陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の合成開口レーダー干渉解析の画像によると、今回の地震に伴う有意な地殻変動は観測されていない。
○ 今回の地震の震源域は、九州地方中部において東西に延びる別府―島原地溝帯周辺にあたり、南北方向に張力が働き、発生する地震の多くが正断層型や横ずれ断層型となる特徴が見られる。今回の地震はこのような特徴がある地域で発生したものである。
○ 今回の地震活動の領域は、平成28 年(2016 年)熊本地震の一連の地震活動域から北に約20km 離れている。1月3日の地震の前後には、平成28 年(2016 年)熊本地震の一連の地震活動に特段の変化は観測されていない。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。
○ 2月21日に胆振地方中東部の深さ約35kmでマグニチュード(M)5.8の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ型で、陸のプレート内で発生した地震である。この地震は、2018年9月6日のM6.7の地震後に南北約30kmの領域で継続している平成30年北海道胆振東部地震の活動域内の北部で発生した。GNSS観測の結果及び陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の合成開口レーダー干渉解析の画像によると、今回の地震に伴う有意な地殻変動は観測されていない。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。
○ 5月10日07時43分に日向灘の深さ約25km でマグニチュード(M)5.6の地震が発生し、また、同日08時48分にほぼ同じ場所でM6.3の地震が発生した。これらの地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。GNSS観測によると、これらの地震に伴い、宮崎市の佐土原(さどわら)観測点で南東方向に約1cm 移動するなどの地殻変動が観測された。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。
○ 5月25日に千葉県北東部*の深さ約40km でマグニチュード(M)5.1の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に張力軸を持つ正断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。この地震の震源付近では、6月1日にもM4.7の地震が発生している。
*:気象庁が情報発表で用いた震央地域名は「千葉県南部」である。
○ 6月18日22時22分に山形県沖の深さ約15km でマグニチュード(M)6.7の地震が発生した。この地震により新潟県下越地方で最大震度6強を観測し、被害を伴った。
○ この地震により、山形県鶴岡市の鼠ヶ関(ねずがせき、国土地理院)で11cm など、秋田県・山形県・新潟県・石川県の沿岸で津波を観測した。
○ GNSS観測の結果では、地震に伴って、新潟県村上市の新潟山北(にいがたさんぽく)観測点が北西に約5cm 移動するなどの地殻変動が観測された。また、陸域観測技術衛星「だいち2号」の合成開口レーダー干渉解析の画像によると、震央に近い陸域で地殻変動が観測された。
○ M6.7の地震の発生後、北東-南西方向に長さ約20kmの領域で、地震活動がこれまでのところ本震-余震型で推移している。7月9日17時までに発生した最大規模の余震は、6月19日00時57分に発生した M4.2の地震で、最大震度4を観測した。
○ この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。今回の地震の余震分布と本震の発震機構に基づくと、震源断層は東南東方向に傾斜する断層面であったと推定される。
○ 北海道沖から新潟県沖にかけての日本海東縁部では、これまで大地震がたびたび発生している。地質学的にみても、東西に幅を持った南北方向に延びる帯状の活断層・活しゅう曲帯が何条か形成されている。今回の地震活動は、この領域内で1964 年に発生した新潟地震の震源域に隣接した場所で発生 している。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。
○ 8月4日に福島県沖の深さ約45kmでマグニチュード(M)6.4の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 12月19日に青森県東方沖の深さ約50kmでマグニチュード(M)5.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北北東-南南西方向に張力軸を持つ正断層型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。
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