佐賀県の地震活動の特徴
佐賀県に被害を及ぼす地震は、主に陸域や沿岸部の浅い場所で発生する地震です。
佐賀県とその周辺の主な被害地震(図をクリックすると拡大表示)
歴史の資料によると、大きな被害を及ぼした地震はあまり知られていませんが、県内で発生した被害地震としては、1703年の小城付近の地震(位置とMは不明)があり、古湯(ふるゆ)温泉の城山が崩れ温泉が埋まりました。さらに、1831年の佐賀市付近の地震(M6.1)では、佐賀城の石垣が崩れ、潰れた住家もありました。なお、県内の活断層に対応する規模の大きな地震は知られていません。
水縄断層帯に発生したと考えられる679年の筑紫国の地震(M6.5~7.5)の際には、詳細は不明ですが相当大きな被害が生じたと考えられています。また、1700年の壱岐・対馬の地震(M7.0)では、佐賀で瓦が落ちるなどの被害が生じました。このように、周辺地域の浅いところで発生した地震で被害を受けることもあります。また、1792年の島原半島眉山(当時前山)の崩壊により発生した津波で、家屋や船舶の流出などの被害が生じました。さらに、2005年の福岡県西方沖の地震(M7.0)でも、みやき町で震度6弱を観測したほか、負傷者や家屋の破損などの被害が生じました。
佐賀県の主要な活断層は、有明海北岸地域の平野とその北側の山地との境界に沿って分布する佐賀平野北縁断層帯です。この断層帯の一部は、古代から道路として使われていました。また、福岡県境近くには日向峠−小笠木峠断層帯があります。有明湾沿岸はやや弱い地盤であるため、地震が発生した場合には他の地域より揺れが大きくなる可能性があります。
【 佐賀県周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震 】
【 佐賀県に被害を及ぼした主な地震 】
【 確率論的地震動予測地図 】 【 リンク 】
○佐賀県周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震 [上に戻る]
地震 | マグニチュード | 地震発生確率 (30年以内) 【地震発生確率値の留意点】 |
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海溝型地震 | |||||
日向灘及び 南西諸島海溝 周辺 |
日向灘 | 8程度 | - | ||
ひとまわり小さい地震 | 7.0~7.5程度 | 80%程度 | |||
安芸灘~伊予灘~豊後水道 | 6.7~7.4程度 | 40%程度 | |||
九州中央部 | 7.0~7.5程度 | - | |||
南西諸島周辺及び与那国島周辺 | 8.0程度 | - | |||
ひとまわり小さい地震 | 南西諸島周辺 | 7.0~7.5程度 | - | ||
与那国島周辺 | 7.0~7.5程度 | 90%程度以上 | |||
南西諸島北西沖 | 7.0~7.5程度 | 60%程度 | |||
南海トラフ | 南海トラフで発生する地震 | 8~9クラス | 70%~80% | ||
内陸の活断層で発生する地震 | |||||
西山断層帯 | 大島沖区間 | 7.5程度 | 不明 | ||
西山区間 | 7.6程度 | 不明 | |||
嘉麻峠区間 | 7.3程度 | 不明 | |||
水縄断層帯 | 7.2程度 | ほぼ0% | |||
雲仙断層群 | 北部 | 7.3程度以上 | 不明 | ||
南東部 | 7.1程度 | 不明 | |||
南西部 (北部) | 7.3程度 | ほぼ0%~4% | |||
南西部 (南部) | 7.1程度 | 0.5%~1% | |||
警固断層帯 | 北西部 | 7.0程度 | 不明 | ||
南東部 | 7.2程度 | 0.3%~6% | |||
日向峠−小笠木峠断層帯 | 7.2程度 | 不明 | |||
佐賀平野北縁断層帯 | 7.5程度 | 不明 | |||
布田川断層帯・ 日奈久断層帯 |
布田川断層帯(布田川区間) | 7.0程度 | ほぼ0% | ||
布田川断層帯(宇土区間) | 7.0程度 | 不明 | |||
布田川断層帯(宇土半島北岸区間) | 7.2程度以上 | 不明 | |||
日奈久断層帯(高野−白旗区間) | 6.8程度 | 不明 | |||
日奈久断層帯(日奈久区間) | 7.5程度 | ほぼ0%~6% | |||
日奈久断層帯(八代海区間) | 7.3程度 | ほぼ0%~16% |
○佐賀県に被害を及ぼした主な地震 [上に戻る]
西暦(和暦) | 地域(名称) | M | 主な被害(括弧は全国での被害) |
679年 (天武7) |
筑紫 | 6.5~7.5 | (家屋の倒壊多数。) |
1703年6月22日 (元禄16) |
小城 | 不明 | 小城古湯温泉の城山崩れ、温泉埋まる。 |
1831年11月14日 (天保2) |
肥前 | 6.1 | 佐賀城に被害。全壊家屋あり。 |
2005年3月20日 (平成17) |
福岡県西方沖 →【地震本部の評価】 |
7.0 | 負傷者15人。 |
2016年4月14日~ (平成28) |
(平成28年(2016年)熊本地震) 【地震本部の評価】 →平成28年4月15日公表 →平成28年4月17日公表 →平成28年5月13日公表 →地震調査委員長見解 (平成28年5月13日公表) 【リンク集】 |
6.5(4月14日) 7.3(4月16日) |
負傷者13人(平成31年4月12日、消防庁調べ)。 |
「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」(評価基準日:2020年1月1日)
を示した地震動予測地図です。
詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。
○リンク [上に戻る]
地震動予測地図等
- 全国地震動予測地図
「全国地震動予測地図」 のページです。 - 地震ハザードステーション(J−SHIS)
防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。 - 長周期地震動予測地図
将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。 - 応答スペクトルに関する地震動ハザード評価
工学的利活用に向けて、試作版の報告書を公表しています。 - 強震動評価
ある特定の震源断層に着目して、そこで地震が発生した場合に周辺の地域がどの程度の強い揺れに見舞われるかを示した地図です (震源断層を特定した地震動予測地図)。- 「九州地域の活断層の長期評価(第一版)」で新たに評価対象となった活断層で発生する地震の予測震度分布(簡便法計算結果)
九州地域評価において新たに詳細な評価を行った断層帯および評価の改訂を行った主要活断層帯について、簡便法により予測震度分布を計算した結果を掲載しています。
掲載した活断層: 小倉東断層,福智山断層帯,西山断層帯,宇美断層,日向峠−小笠木峠断層帯,佐賀平野北縁断層帯,布田川断層帯(布田川断層帯・日奈久断層帯),日奈久断層帯(布田川断層帯・日奈久断層帯),緑川断層帯,甑断層帯,市来断層帯 - 西山断層帯の地震による予測震度分布(簡便法)
「西山断層帯の長期評価(一部改訂)(平成25年2月1日公表)」とあわせて示した予測震度分布図です。 - 警固断層帯(南東部)の地震を想定した強震動評価(平成20年4月11日公表)
- 警固断層帯の地震による予測震度分布
「警固断層帯の長期評価(平成19年3月19日公表)」とあわせて示した予測震度分布図です。 - 2005年福岡県西方沖の地震の観測記録に基づく強震動評価手法の検証(平成20年4月11日公表)
- 「九州地域の活断層の長期評価(第一版)」で新たに評価対象となった活断層で発生する地震の予測震度分布(簡便法計算結果)
- 長周期地震動予測地図作成等支援事業
文部科学省では、「新しい総合的かつ基本的な施策」(地震調査研究推進本部,2009)の中で今後推進すべき研究とされた長周期地震動について、平成22年度から研究機関に委託して調査研究を行っています。 - 防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト
南海トラフでは、マグニチュード8クラスの大地震が発生し、残りの領域においても連動して大地震が発生する可能性が高まる(「半割れ」ケース)などの「異常な現象」が観測される可能性が示されています。文部科学省では、こうした「異常な現象」が起こった後の地震活動の推移を科学的・定量的データを用いて評価するための研究開発や、「異常な現象」が観測された場合の住民・企業等の防災対策のあり方、防災対応を実行するにあたっての仕組みについて調査研究を実施し、これら研究成果の活用を推進するため、令和2年度より研究機関に委託して研究プロジェクトを実施しています。 - 南海トラフ広域地震防災研究プロジェクト
文部科学省では、南海トラフから南西諸島海溝域までの震源モデルを構築、地震・津波の被害予測とその対策、発災後の復旧・復興対策を検討し、地域の特性に応じた課題に対する研究成果の活用を推進させるため、平成25年度より研究機関に委託して研究プロジェクトを実施しています。 - 東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト
東海・東南海・南海地震については、今後30年以内の発生確率が非常に高く、これら3つの地震は将来連動して発生する可能性も高いことから、これら3つの地震の時空間的な連動性を評価するため、海底稠密地震・津波・地殻変動観測や物理モデルの構築、シミュレーション研究、強震動・津波予測、被害想定研究等を総合的に行っています。 - 内閣府 東南海・南海地震対策
内閣府の東南海・南海地震対策のページです。 - 内閣府 南海トラフ地震対策
内閣府の南海トラフ地震対策のページです。
長期評価等
- 長期評価
- 海溝型地震の将来の発生可能性についての評価
- 内陸の活断層帯の将来の地震発生の可能性についての評価
- 「九州地域の活断層の地域評価」
九州地域の陸域及び沿岸海域に分布し、M6.8以上の地震を引き起こす可能性のある活断層について、総合的に評価しました。 - 日本海南西部の海域活断層の長期評価
鳥取県、島根県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県の北方沖で、五島列島以北の対馬海峡を含む海域に分布する活断層のうち、その活動が社会的、経済的に大きな影響を与えるおそれのあるマグニチュード(M)7.0程度以上の地震を発生させる可能性のある、長さ20km以上の活断層を主な対象として、これまでに行われた調査研究成果等に基づき評価対象海域の海域活断層の長期評価を行いました。 - 長期評価結果一覧
主要な活断層や海溝型地震(プレートの沈み込みに伴う地震)の活動間隔、次の地震の発生可能性〔場所、規模(マグニチュード)及び発生確率〕等の評価(長期評価)の概要を一覧にして掲載しています。
- 活断層調査・観測等
- 地域評価のための活断層調査(九州地域)
文部科学省では、「活断層の地域評価」で新たに評価の対象となった短い活断層のうち、断層の位置・形状や活動履歴等に関する情報が十分ではない 活断層を対象として調査を実施しています。
- 福岡県 平成7年度 西山断層系、水縄断層系、警固断層系に関する調査成果報告書
- 地震予知総合研究振興会 平成21年度 沿岸海域における活断層調査 西山断層帯(海域部)及び菊川断層帯(海域部) 委託業務成果報告書
- 独立行政法人産業技術総合研究所 平成23年度 西山断層帯の活動性および活動履歴調査(「活断層の追加・補完調査」成果報告書 No.H23−2)
- 独立行政法人産業技術総合研究所 地域評価のための活断層調査(九州地域) 平成25年度成果報告書 3.西山断層帯/嘉麻峠区間
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所 地域評価のための活断層調査(九州地域) 平成26年度成果報告書 3.西山断層帯/嘉麻峠区間
- 平成28年熊本地震を踏まえた総合的な活断層調査
文部科学省では、「平成28年(2016年)熊本地震」の発生を受け、布田川断層帯・日奈久断層帯において今後発生する地震像の解明及び強震動予測の高度化を図るため、大学等に委託し、平成28年度から総合的な活断層調査を実施しています。 - 熊本県 平成7年度 布田川断層帯(立田山断層を含む)に関する調査成果報告書
- 熊本県 平成9年度 日奈久断層に関する調査成果報告書
- 独立行政法人産業技術総合研究所 平成18年度 布田川・日奈久断層帯の活動性および活動履歴調査(「基盤的調査観測対象断層帯の追加・補完調査」成果報告書 No.H18−7)
- 独立行政法人産業技術総合研究所/地域地盤環境研究所/東海大学 平成22年度 沿岸海域における活断層調査 布田川-日奈久断層帯/中部・南西部(海域部) 成果報告書
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所 地域評価のための活断層調査(九州地域) 平成27年度成果報告書 3.布田川断層帯/宇土区間
- 長崎県 平成14年度 雲仙活断層群に関する調査成果報告書
- 長崎県 平成15年度 雲仙活断層群に関する調査成果報告書
- 長崎県 平成16年度 雲仙活断層群に関する調査に関する調査成果報告書
- 独立行政法人産業技術総合研究所/千葉大学理学部/東海大学海洋学部/地域地盤環境研究所 平成21年度 沿岸海域における活断層調査 雲仙断層群北部(海域)及び雲仙断層群南東部(海域) 成果報告書
- 独立行政法人産業技術総合研究所 地域評価のための活断層調査(九州地域) 平成25年度成果報告書 4.佐賀平野北縁断層帯
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所 地域評価のための活断層調査(九州地域) 平成26年度成果報告書 4.佐賀平野北縁断層帯
- 警固断層帯(南東部)における重点的調査観測
文部科学省では、「新たな活断層調査について」(地震調査研究推進本部,2009)の中で、地震後経過率の最大値が1.0を超え、断層が通過する市町村の総人口が概ね50万人を超える等、地震が発生した際の社会的影響が大きいとされた警固断層帯において、大学、関係行政機関および関係する独立行政法人に委託し、平成23年度から重点的な調査観測を実施しています。
- 地域評価のための活断層調査(九州地域)
- 産業技術総合研究所 活断層データベース
日本全国の活断層(活動セグメント)の分布とそのパラメータ、日本の活断層に関係する文献の書誌データ、文献から採録された調査地点ごとの調査結果データ、地下数十キロメートルまでの地下構造データが収録されています。 - 国土地理院 活断層図(都市圏活断層図)
国土地理院の活断層図(都市圏活断層図)のページです。
地震活動等
- 毎月の地震活動の評価
地震調査委員会による毎月(および臨時)の地震活動の評価です。
【2005年3月20日福岡県西方沖の地震】 - 主な地震活動の評価
各地震活動について、これまでに公表された評価結果をとりまとめたものです。 - 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−
全国の地震活動の概要と地震に関する基礎知識、そして、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国及び九州・沖縄に区分し、その地方の地震活動の概要をはじめ、その地域に被害を及ぼす地震のタイプ、これまでに発生した主な被害地震の概要、都道府県別(北海道は地域別)の特徴について書かれています。 - 震源・震度に関する情報
気象庁、防災科学技術研究所、大学などの地震観測データに基づく震源・震度に関する情報です。 - 地震に関するパンフレット
地震発生のしくみ、地震調査研究推進本部の取組などを解説した各種パンフレットです。
地方自治体等
- 佐賀地方気象台
佐賀地方気象台のページです。佐賀県の地震概況等を閲覧することができます。
- 佐賀県
「防災・減災さが」です。地域防災計画など様々な情報を閲覧できます。
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