2013年の主な地震活動の評価
各地震活動の評価は、発生後、1年程度の間に公表された評価内容をとりまとめたものです。(これまでの地震活動の評価の閲覧へ)
A | 2013年1月28日 茨城県北部の地震活動 | M4.8 | 最大震度5弱 | |
B | 2013年1月31日 茨城県北部の地震活動 | M4.7 | 最大震度5弱 | |
C | 2013年2月2日 十勝地方南部の地震活動 | M6.5 | 最大震度5強 | |
D | 2013年2月25日 栃木県北部の地震活動 | M6.3 | 最大震度5強 | |
E | 2013年4月13日 淡路島付近の地震活動 | M6.3 | 最大震度6弱 | |
F | 2013年4月17日 三宅島近海の地震活動 | M6.2 | 最大震度5強 | 津波を観測 |
G | 2013年4月17日 宮城県沖の地震活動 | M5.9 | 最大震度5弱 | |
H | 2013年5月18日 福島県沖の地震活動 | M6.0 | 最大震度5強 | |
I | 2013年8月4日 宮城県沖の地震活動 | M6.0 | 最大震度5強 | |
J | 2013年9月20日 福島県浜通りの地震活動 | M5.9 | 最大震度5強 | |
K | 2013年10月26日 福島県沖の地震活動 | M7.1 | 最大震度4 | 津波を観測 |
L | 2013年11月10日 茨城県南部の地震活動 | M5.5 | 最大震度5弱 | |
M | 2013年12月31日 茨城県北部の地震活動 | M5.4 | 最大震度5弱 |
○ 1月28日に茨城県北部の深さ約75kmでM4.8の地震が発生した。この地震の発震機構は東北東-西南西方向に張力軸を持つ正断層型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。
○ 1月31日に茨城県北部の深さ約10kmでM4.7の地震が発生した。この地震の発震機構は北東-南西方向に張力軸を持つ正断層型で、地殻内で発生した地震である。
○ 2月2日に十勝地方南部〔十勝地方中部〕の深さ約100kmでM6.5の地震が発生した。この地震の発震機構は太平洋プレートの傾斜方向に張力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。GNSS観測結果によると、この地震に伴い、えりも1観測点(北海道)でわずかな地殻変動が観測された。
○ 2月25日に栃木県北部の深さ約5kmでM6.3の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。この地震の震源近傍では、2月23日頃から地震活動がみられていた。また、この地震の発生後、活発な余震活動がみられたが、その後活動は徐々に減衰している。これまでの最大の余震は、本震から約10分後に発生したM4.7の地震である。
GNSS観測結果によると、この地震に伴い、栗山観測点(栃木県)で地殻変動が観測された。
今回の地震活動がみられた群馬県・栃木県県境付近では、東北地方太平洋沖地震以降、地震活動が活発となっていた。
○ 4月13日05時33分に淡路島付近の深さ約15kmでマグニチュード(M)6.3の地震が発生した。この地震により兵庫県で最大震度6弱を観測し、被害を伴った。その後、地震活動は本震-余震型で推移し、余震活動は減衰してきている。これまでの最大の余震は13日05時41分に発生したM3.9の地震で、最大震度3を観測した。
○ この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内の地震である。今回の地震の余震分布と本震の発震機構から推定される震源断層は南北方向に延びる西傾斜の逆断層であった。この地震は、「平成7年(1995 年)兵庫県南部地震」の余震域の南西端に近接する領域で発生した。
○ GNSS 観測の結果によると、本震の発生に伴って、洲本観測点(兵庫県)でわずかな地殻変動が観測された。
○ この震源域南部に近接して六甲・淡路島断層帯の一部である先山(せんざん)断層帯が存在している。地震調査委員会は、この先山断層帯について、全体が活動するとM6.6程度の地震が発生する可能性があると評価していたが、今回の地震とこの断層帯との関係については不明である。
○ 4月17日から三宅島近海で地震活動が活発となった。活動は17日10時頃から始まり、17日17時57分には深さ約10kmでM6.2の地震が発生し、三宅島で最大震度5強を観測し、被害を生じた。この地震の発震機構は北北西-南南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。GNSS観測の結果によると、この地震に伴い三宅島で小さな地殻変動が観測された。また、この地震に伴い三宅島で小さな津波を観測した。
○ 4月17日に宮城県沖の深さ約60kmでM5.9の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 5月18日に福島県沖の深さ約45kmでM6.0の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 8月4日に宮城県沖の深さ約60kmでM6.0の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。この地震の震源付近では、2011年4月7日にM7.2の地震(最大震度6強)が発生している。
○ 9月20日に福島県浜通りの深さ約15kmでM5.9 の地震が発生した。この地震の発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。
○ 10月26日に福島県沖でM7.1の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に張力軸を持つ正断層型で、日本海溝の東側(アウターライズの領域)の太平洋プレート内部で発生した地震である。
この地震により、石巻市鮎川(宮城県)で36cmなど、東北地方の太平洋沿岸で津波を観測した。
この地震の後、26日中にM5.0以上の地震が5回発生するなど、ややまとまった地震活動があった。
○ 11月3日に茨城県南部の深さ約65kmでM5.1の地震が発生した。また、10日には、ほぼ同じ場所でM5.5の地震が発生した。これらの地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震である。
○ 12月31日に茨城県北部の深さ約5kmでM5.4の地震が発生した。この地震の発震機構は北東-南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。