島根県の地震活動の特徴
島根県とその周辺の主な被害地震(図をクリックすると拡大表示)
島根県の陸域または沿岸域の浅い場所で発生する地震については、大きな被害を伴った顕著な地震として、1872年の浜田地震(M7.0~7.2)が挙げられます。また、880年には出雲でM7.0程度の地震が発生しています。この地震は、最近の研究によって、宍道(鹿島)断層の活動である可能性が指摘されています。県西部の石見地方では、1676年にM6.3、1778年にM6.0程度、1859年1月にM6.5、同年10月にM6.4の地震が発生し、局地的に被害が生じました。一方、東部の鳥取県境近くと三瓶山付近から広島県にかけての地域では、M5~6クラスの地震が発生しており、2018年のM6.1の地震では負傷者9人の被害がありました。県外で発生した被害地震としては、1943年の鳥取地震(M7.2)や平成12年(2000年)鳥取県西部地震(M7.3)があります。
海溝型地震については、南海トラフ沿いで発生する大地震の中で四国沖から紀伊半島沖が震源となった場合には、県内でたびたび被害を受けてきました。このうち、1946年の昭和南海地震(M8.0)では死者9人や住家全壊71棟の被害がありました。また、安芸灘~伊予灘~豊後水道のプレート内地震によっても被害を受けたことがあり、平成13年(2001年)芸予地震(M6.7)では負傷者3人などの被害が生じました。
中国・四国地方以外を震源とする地震では、1964年の新潟地震(M7.5)、昭和58年(1983年)日本海中部地震(M7.7)あるいは平成5年(1993年)北海道南西沖地震(M7.8)のように、日本海東縁部で発生した大地震に伴う津波により、沿岸域で被害を受けたことがあります。
【 島根県周辺の活断層帯と海溝で起こる地震 】 【 島根県に被害を及ぼした主な地震 】
【 確率論的地震動予測地図 】 【 リンク 】
○島根県周辺の活断層帯と海溝で起こる地震 [上に戻る]
地震 | マグニチュード | 地震発生確率 (30年以内) 【地震発生確率値の留意点】 |
||
海溝型地震 | ||||
南海トラフ | 南海トラフで発生する地震 | 8~9クラス | 70%~80% | |
日向灘及び 南西諸島海溝 周辺 |
日向灘 | 8程度 | - | |
ひとまわり小さい地震 | 7.0~7.5程度 | 80%程度 | ||
安芸灘~伊予灘~豊後水道 | 6.7~7.4程度 | 40%程度 | ||
九州中央部 | 7.0~7.5程度 | - | ||
内陸の活断層で発生する地震 | ||||
宍道(鹿島)断層 | ケース1 | 7.0程度 もしくはそれ以上 |
ほぼ0%~0.003% | |
ケース2 | 7.0程度 もしくはそれ以上 |
0.9%~6% | ||
日南湖断層 | 6.7程度 | 不明 | ||
弥栄断層 | 7.7程度 | ほぼ0%~6% | ||
地福断層 | 7.2程度 | 不明 | ||
大原湖断層 | 7.5程度 | 不明 | ||
筒賀断層 | 7.8程度 | 不明 |
○島根県に被害を及ぼした主な地震 [上に戻る]
西暦(和暦) | 地域(名称) | M | 県内の主な被害 |
880年11月23日 (元慶4) |
出雲 | 7.0程度 | 神社、仏閣、家屋の倒壊。 |
1676年7月12日 (延宝4) |
石見 | 6.3 | 津和野城などに被害。死者7人、負傷者35人、家屋倒壊133棟。 |
1707年10月28日 (宝永4) |
(宝永地震) | 8.6 | 出雲で住家倒壊130棟。 |
1854年12月23日 1854年12月24日 (安政元) |
(安政東海地震) (安政南海地震) |
いずれも 8.4 |
出雲杵築大社で倒壊150棟。(地震調査委員会,2009) |
1859年1月5日 (安政5) |
石見 | 6.5 | 那賀郡、美濃郡で揺れが強く、波佐村、周布村、美濃村などで家屋倒壊56棟。 |
1859年10月4日 (安政6) |
石見・安芸 | 6.4 | 那賀郡で揺れが強く、周布村で家屋倒壊数棟。 |
1872年3月14日 (明治5) |
(浜田地震) | 7.0~7.2 | 死者551人、負傷者582人、家屋全壊4,506棟、家屋焼失230棟。 |
1946年12月21日 (昭和21) |
(昭和南海地震) | 8.0 | 死者9人、負傷者16人、住家全壊71棟。 |
2000年10月6日 (平成12) |
(平成12年(2000年) 鳥取県西部地震) →【地震本部の評価】 |
7.3 | 負傷者11人(うち重傷2人)、住家全壊34棟。 |
2018年4月9日 (平成30) |
島根県西部 | 6.1 | 負傷者9人(うち重傷2人)、住家全壊17棟。 |
1995年より前の地震は死者または全壊家屋が発生した場合に、以降の地震は負傷者(重傷)が発生した場合に取り上げた。Mについては、1922年より前の地震は長期評価(記載がない場合は宇佐美ほか,2013)、以降の地震は気象庁震源カタログによる。被害については、1995年より前の地震は宇佐美ほか(2013)、以降の地震は総務省消防庁ホームページによる。家屋の被害状況を説明にあたって、「潰」「倒潰」は「倒壊」に、「全潰」「全壊」は「全壊」と表記した。また、家屋や建物の単位はすべて「棟」に統一した。
「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」(評価基準日:2020年1月1日)
を示した地震動予測地図です。
詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。
○リンク [上に戻る]
地震動予測地図等
- 全国地震動予測地図
「全国地震動予測地図」 のページです。 - 地震ハザードステーション(J−SHIS)
防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。 - 長周期地震動予測地図
将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。 - 応答スペクトルに関する地震動ハザード評価
工学的利活用に向けて、試作版の報告書を公表しています。 - 「中国地域の活断層の長期評価(第一版)」で評価対象となった活断層で発生する地震の予測震度分布(簡便法計算結果)
中国地域評価において新たに詳細な評価を行った断層帯および評価の改訂を行った主要活断層帯について、簡便法により予測震度分布を計算した結果を掲載しています。
掲載した活断層: 宍道(鹿島)断層,雨滝-釜戸断層,鹿野-吉岡断層,日南湖断層,岩坪断層,山崎断層帯(那岐山断層帯・山崎断層帯主部北西部区間),長者ヶ原-芳井断層,宇津戸断層,安田断層,菊川断層帯,岩国-五日市断層帯,周防灘断層帯,安芸灘断層帯,広島湾-岩国沖断層帯,宇部南方沖断層,弥栄断層,地福断層,大原湖断層,小郡断層,筒賀断層,滝部断層,奈古断層,栄谷断層,黒瀬断層 - 長周期地震動予測地図作成等支援事業
文部科学省では、「新しい総合的かつ基本的な施策」(地震調査研究推進本部,2009)の中で今後推進すべき研究とされた長周期地震動について、平成22年度から研究機関に委託して調査研究を行っています。 - 防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト
南海トラフでは、マグニチュード8クラスの大地震が発生し、残りの領域においても連動して大地震が発生する可能性が高まる(「半割れ」ケース)などの「異常な現象」が観測される可能性が示されています。文部科学省では、こうした「異常な現象」が起こった後の地震活動の推移を科学的・定量的データを用いて評価するための研究開発や、「異常な現象」が観測された場合の住民・企業等の防災対策のあり方、防災対応を実行するにあたっての仕組みについて調査研究を実施し、これら研究成果の活用を推進するため、令和2年度より研究機関に委託して研究プロジェクトを実施しています。 - 南海トラフ広域地震防災研究プロジェクト
文部科学省では、南海トラフから南西諸島海溝域までの震源モデルを構築、地震・津波の被害予測とその対策、発災後の復旧・復興対策を検討し、地域の特性に応じた課題に対する研究成果の活用を推進させるため、平成25年度より研究機関に委託して研究プロジェクトを実施しています。 - 東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト
東海・東南海・南海地震については、今後30年以内の発生確率が非常に高く、これら3つの地震は将来連動して発生する可能性も高いことから、これら3つの地震の時空間的な連動性を評価するため、海底稠密地震・津波・地殻変動観測や物理モデルの構築、シミュレーション研究、強震動・津波予測、被害想定研究等を総合的に行っています。 - 内閣府 東南海・南海地震対策
内閣府の東南海・南海地震対策のページです。 - 内閣府 南海トラフ地震対策
内閣府の南海トラフ地震対策のページです。
長期評価等
- 長期評価
- 海溝型地震の将来の発生可能性についての評価
- 内陸の活断層の将来の地震発生の可能性についての評価
- 「中国地域の活断層の地域評価」
中国地域の陸域及び沿岸海域に分布し、M6.8以上の地震を引き起こす可能性のある活断層について、総合的に評価しました。 - 日本海南西部の海域活断層の長期評価
鳥取県、島根県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県の北方沖で、五島列島以北の対馬海峡を含む海域に分布する活断層のうち、その活動が社会的、経済的に大きな影響を与えるおそれのあるマグニチュード(M)7.0程度以上の地震を発生させる可能性のある、長さ20km以上の活断層を主な対象として、これまでに行われた調査研究成果等に基づき評価対象海域の海域活断層の長期評価を行いました。 - 長期評価結果一覧
主要な活断層や海溝型地震(プレートの沈み込みに伴う地震)の活動間隔、次の地震の発生可能性〔場所、規模(マグニチュード)及び発生確率〕等の評価(長期評価)の概要を一覧にして掲載しています。
- 産業技術総合研究所 活断層データベース
日本全国の活断層(活動セグメント)の分布とそのパラメータ、日本の活断層に関係する文献の書誌データ、文献から採録された調査地点ごとの調査結果データ、地下数十キロメートルまでの地下構造データが収録されています。 - 国土地理院 活断層図(都市圏活断層図)
国土地理院の活断層図(都市圏活断層図)のページです。
地震活動等
- 毎月の地震活動の評価
地震調査委員会による毎月(および臨時)の地震活動の評価です。
【平成13年(2001年)芸予地震】 【平成12年(2000年)鳥取県西部地震】 - 主な地震活動の評価
各地震活動について、これまでに公表された評価結果をとりまとめたものです。 - 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−
全国の地震活動の概要と地震に関する基礎知識、そして、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国及び九州・沖縄に区分し、その地方の地震活動の概要をはじめ、その地域に被害を及ぼす地震のタイプ、これまでに発生した主な被害地震の概要、都道府県別(北海道は地域別)の特徴について書かれています。 - 震源・震度に関する情報
気象庁、防災科学技術研究所、大学などの地震観測データに基づく震源・震度に関する情報です。 - 地震に関するパンフレット
地震発生のしくみ、地震調査研究推進本部の取組などを解説した各種パンフレットです。
津波評価等
- 津波評価
地震調査委員会では、津波予測の手順を標準化し、「波源断層を特性化した津波の予測手法(津波レシピ)」を公表しています。また、長期評価の結果と津波レシピをもとに、津波評価を進めています。 - 津波予測手法
「波源断層を特性化した津波の予測手法(津波レシピ)」についてのページです。
地方自治体等
- 松江地方気象台
松江地方気象台のページです。島根県の地震活動等の情報を閲覧することができます。
- 島根県
島根県の防災危機管理課のページです。地域防災計画などを閲覧できます。
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