十勝沖
この領域で発生した規模の大きい地震は、1843年の地震(M8.0)、1952年の地震(M8.2)、2003年の「平成15年(2003年)十勝沖地震」(M8.0)の3つが知られています。十勝沖・根室沖・色丹島沖・択捉島沖では、M8程度のプレート間地震が、それぞれの海域において約72年に1回の間隔で発生すると推定されています。2003年に地震が起こっていることから、今後30年以内にこの海域で地震が発生する確率を求めると2%~7%と予想されます。過去の事例から、次の地震の規模はM8.1前後と推定されています。
なお、根室沖と十勝沖の海域では、400~500年程度の間隔で、2つの海域の地震が連動して発生していることが知られており、最新の発生時期は17世紀とされています。しかし、2003年に十勝沖の領域で「平成15年(2003年)十勝沖地震」(M8.0)が発生していることから、近い将来の連動の可能性は低いと考えられています。連動した場合の地震の規模はM8.3程度と推定されています。
【 将来の地震発生の可能性 】 【 もしこの地震が発生したら 】
【 十勝沖の地震の過去の発生状況と被害 】 【 リンク 】
○将来の地震発生の可能性 [上に戻る]
地震の規模 : M8.1前後
地震発生確率: 30年以内に、2%~7% (地震発生確率値の留意点)
地震後経過率: 0.18 (地震後経過率とは?)
平均活動間隔: 72.2年
最新発生時期: 平成15年(2003年)十勝沖地震
詳しい内容を知りたい方は、「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第二版)」( html版 / PDF版(17MB) )をご覧下さい。
○十勝沖の地震の過去の発生状況と被害 [上に戻る]
発生年月日 | 地震の規模 | 被害等 |
1843年4月25日 | M8.0 | 厚岸国泰寺で石灯籠・石仏等が倒散、庭の所々で12~15cmの地割れが生じた。松前や津軽でも強く感じ、江戸でも有感を記録した。津波は厚岸の村落を呑み込み、“大海のようになった”ともいわれ、対岸の番屋、家屋が全部流失した。潮位が平常から15尺上がったという記録から、津波の高さは4~5mと推定される。津波の来襲により、アイヌ人34名が流死し、ポロトでも11名が流死した。 |
1952年3月4日 (十勝沖地震) |
M8.2 | 十勝地方その他の泥炭地に被害が多かった。十勝支庁と日高支庁の沿岸地域で地震動が大きく、震度6の地点が6町(池田・浦幌他)、震度5の地点が7市町村(浦河・厚岸・広尾他)に及んだ。地震動による被害は十勝川下流域の低湿な地域で著しかった。津波は浜中・厚岸に最大の被害をもたらした。琵琶瀬湾からの津波が霧多布を通り抜けて浜中湾に出て高さ約3mに及んだ。厚岸では波高6.5mに達した。被害は死者28名、行方不明者5名、負傷者287名、家屋全壊815棟など。 |
2003年9月26日 (平成15年(2003年) 十勝沖地震) →【推進本部の評価】 |
M8.0 | この地震に伴い北海道太平洋沿岸の東部(厚岸・釧路)~十勝平野(豊頃・忠類等)~日高支庁南部(浦河・静内)にかけて最大震度6弱を観測した。地震に伴う津波は北海道から東北にかけて観測され、浦河港で1.3m、霧多布で1.3m、八戸で1.0m(いずれも検潮所の記録)など。また、遡上高として十勝港で2.5m、えりも町百人浜で4.0m、痕跡高として豊頃町長節沼で3.8mなどの津波が観測されている。消防庁の発表によれば、被害は津波による行方不明者2名、重傷者69名を含む負傷者849名、住家全壊116棟であり、強震動による屋外石油タンクの火災発生等大きな災害を伴った。 |
○リンク [上に戻る]
地震動予測地図等
- 2003年十勝沖地震の観測記録を利用した強震動予測手法の検証( html版 / PDF版(19MB) )
「海溝型地震の強震動評価のレシピ」の検証を「平成15年(2003年)十勝沖地震」(M8.0)を対象に行い、「レシピ」の適用範囲や改良点について検討したものです。 - 全国地震動予測地図
「全国地震動予測地図」 のページです。 - 地震ハザードステーション(J−SHIS)
防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。 - 長周期地震動予測地図
将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。 - 内閣府 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策
内閣府の日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策のページです。
長期評価等
地震活動等
- 毎月の地震活動の評価
地震調査委員会による毎月(および臨時)の地震活動の評価です。
【平成15年(2003年)十勝沖地震 (2003年9月26日)】 - 主な地震活動の評価
各地震活動について、これまでに公表された評価結果をとりまとめたものです。 - 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−
全国の地震活動の概要と地震に関する基礎知識、そして、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国及び九州・沖縄に区分し、その地方の地震活動の概要をはじめ、その地域に被害を及ぼす地震のタイプ、これまでに発生した主な被害地震の概要、都道府県別(北海道は地域別)の特徴について書かれています。 - 震源・震度に関する情報
気象庁、防災科学技術研究所、大学などの地震観測データに基づく震源・震度に関する情報です。 - 地震に関するパンフレット
地震発生のしくみ、地震調査研究推進本部の取組などを解説した各種パンフレットです。
地方自治体等
- 北海道
北海道の危機対策局危機対策課のページです。災害情報や地域防災計画を閲覧できます。 - 北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所
北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所のページです。5万分の1地質図など、様々な研究成果を閲覧することができます。 - 札幌市
札幌市の「防災・防犯・消防」のページです。地域防災計画や過去の災害記録、様々な情報を閲覧することができます。 - 青森県
青森県の「あおもり防災ポータル」です。緊急情報などを閲覧することができます。
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