地下構造モデル
「震源断層を特定した地震の強震動予測手法 (「レシピ」) 」に基づいて強震動評価を行うための地下構造モデルです。成層構造によって、各層の密度、P波・S波速度、Q値および層境界面の形状などを主なパラメータとする三次元速度構造を定義しています。地下構造モデルは、浅部地盤構造、深部地盤構造、地震基盤以深の地殻構造の3つの領域(深さ)に分けて作成しています。
モデル作成の考え方
- 地下構造モデル作成の考え方(平成29年4月27日公表)(1,267 KB) [英語版はこちら](2,101 KB)
「震源断層を特定した地震の強震動予測手法(レシピ)」に示した地下構造モデルの作成法を基準に、地下構造モデルを作成する場合の一般的な作成方法や注意事項を加えて、地下構造モデル作成の際に指針となる考え方と手順をまとめた資料です。
地震基盤以深の地殻構造モデル
地震基盤上面(地震基盤の目安である3km/s程度のS波速度を示す層の上面)より深い地殻構造は、地震波の伝播経路特性に影響します。ここでは地殻構造としていますが、上部マントルまで含めてモデル化しています。
「全国1次地下構造モデル(暫定版)」は、地震基盤以深に加えて深部地盤も含めてモデル化しています。
深部地盤構造モデル
地震基盤上面(地震基盤の目安である3km/s程度のS波速度を示す層の上面)から工学的基盤上面(工学的基盤の目安である300~700m/sのS波速度を示す層の上面)までの地盤構造です。深さは数10~3000m程度で、周期2秒以上の長周期成分も含め、広帯域地震動評価で対象となる全周期帯(0.1~10秒)の地震波の増幅に影響します。
これまで公表した「全国地震動予測地図」の震源断層を特定した地震の地震動予測地図の詳細法計算に用いたモデルについても防災科学技術研究所J-SHISから公表されています。
浅部地盤構造モデル
工学的基盤(300~700m/sのS波速度を示す層が目安)の上面から地表までの構造です。深さは数10m程度までで、地震波の概ね周期2秒未満の短周期成分の増幅に影響を与える領域です。
これまで公表した「全国地震動予測地図」に用いた表層地盤増幅率等についても防災科学技術研究所J-SHISから公表されています。
浅部・深部統合地盤構造モデル
強震動予測に活用することを目的として、浅部地盤構造と深部地盤構造を切れ目なくスムーズに接合した浅部・深部統合地盤構造モデルを作成しています。
地震基盤から工学的基盤までの深部地盤構造のデータ、及び浅部地盤構造を利用して算出された工学的基盤から地表までの表層地盤増幅率などのデータを公表しています。なお、データは防災科学技術研究所J-SHISより公表しています。
全国地震動予測地図2020年版で使用した「関東地方の浅部・深部統合地盤構造モデル(2021年版)」は、微動アレイ記録等を用いて「関東地方の浅部・深部統合地盤構造モデル(2017年版)」を調整したものです。地震基盤から工学的基盤までの深部地盤構造のデータ、及び浅部地盤構造を利用して算出された工学的基盤から地表までの表層地盤増幅率などのデータを公表しています。なお、データは防災科学技術研究所J-SHISより公表しています。
全国地震動予測地図2017年版で使用した地震基盤から工学的基盤までの深部地盤構造についてデータを公表しています。