津波
津波とは、海底地形の急激な変動で、海水が持ち上げられたり下げられたりすることによって生じる波のことです。風波などと異なり、周期が長く、海岸などでは波と言うよりは、潮の異常な干満のように見えることがあります。しかし、その速度は後述のように非常に早く、場合によっては大きな被害をもたらします。
津波は主に、海底下の浅いところで発生した地震による海底の隆起や沈降によって発生しますが、まれに海底火山の噴火、海底地すべり、海岸近くの山崩れによっても発生する場合があります。
津波の高さは、沖合では比較的小さいものの、水深が浅くなるにしたがって大きくなり、沿岸の地形の形状によってさらに増幅されることがあります。特に岬の先端部や、湾の奥まったところで津波の高さが高くなりやすいと言われています。
津波が伝わる速さは、水深が深いほど速く、例えば水深5,000mの外洋では、ジェット旅客機並みの時速800kmにもなります。それに比べ、海岸近くの浅いところでは時速36km前後と遅くなりますが、それでも陸上競技のオリンピック選手並みの速さです。
日本では過去に何度も大きな津波に見舞われています。例えば、1896年の明治三陸地震、1933年の三陸地震、2011年の東北地方太平洋沖地震による津波が挙げられます。また、1960年のチリ地震津波のように、外国で発生した大きな地震による津波が、日本に被害を及ぼすこともあります。