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  3. 2024年8月8日の日向灘の地震の評価について

(広報誌「地震本部ニュース」令和6年(2024年)夏号)

 2024年8月8日に日向灘で地震が発生し、気象庁から初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されるなど、社会的に大きな影響をもたらしました。地震調査研究推進本部では地震発生翌日の8月9日に臨時の地震調査委員会を開催し、この地震の評価を行いましたので、紹介いたします※1

※1:地震調査委員会が公表した評価文から、一部抜粋や修正をしております。元の評価文も併せて御覧下さい。https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2024/20240808_hyuganada.pdf

 8月8日16時42分に日向灘の深さ約30kmでマグニチュード(M)7.1(暫定値)の地震が発生しました。この地震により宮崎県で最大震度6弱を観測し(図1)、負傷者が出るなど被害を伴いました。また、この地震により宮崎県南部山沿いで長周期地震動階級3を観測しました。

 今回の地震により、宮崎港で0.5m、日南市油津で0.4m(いずれも速報値)など、和歌山県から鹿児島県種子島にかけての太平洋側で津波を観測しました。

 GNSS※2観測によると、今回の地震に伴って、宮崎観測点で東南東方向に13cm程度の変動が見られるなど、宮崎県南部で地殻変動が観測されました。また、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」が観測した合成開口レーダー画像の解析でも、宮崎県沿岸部で地殻変動が検出されました。

※2:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です。

 今回の地震は、地震調査委員会が「日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価(第二版)(令和4年3月25日公表)」で評価対象としていた「日向灘のひとまわり小さい地震」の発生領域で起きており、周辺では1931年11月2日にM7.1、1961年2月27日にM7.0の地震が発生していました。長期評価では、この領域ではM7.0~M7.5程度の地震が30年以内に発生する確率はⅢランク※3で、海溝型地震の中では発生する確率が高いグループに分類されています。

※3:海溝型地震における今後30年以内の地震発生確率が26%以上を「Ⅲランク」、3%~26%未満を「Ⅱランク」、3%未満を「Ⅰランク」、不明(すぐに地震が起きることを否定できない)を「Xランク」と表記しています。

 日向灘では1996年10月19日にM6.9の地震、1996年12月3日にM6.7の地震が発生し(図2)、いずれも被害を生じました。

 なお、今回の地震は、南海トラフ地震の想定震源域内の南西端で発生した地震であり、南海トラフ地震の想定震源域では、新たな大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっていると考えられます(8月9日の地震調査委員会時点での評価)。

(広報誌「地震本部ニュース」令和6年(2024年)夏号)

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