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  3. 2021年2月13日福島県沖の地震及び2021年3月20日宮城県沖の地震

(広報誌「地震本部ニュース」令和3年(2021年)夏号)

 令和3年2月13日23時07分に福島県沖でマグニチュード(M)7.3の地震が発生し、宮城県と福島県で震度6強、北海道から中国地方にかけて震度6弱から震度1を観測しました。この地震に伴い宮城県と福島県で津波を観測しました。また、令和3年3月20日18時09分に宮城県沖でM6.9の地震が発生し、宮城県で震度5強、北海道から近畿地方にかけて震度5弱から震度1を観測しました。これらの地震を受けて、地震調査委員会は、地震発生直後の2月14日と3月22日に臨時の委員会を開催し、どのような地震であったのかを評価するための議論を行いました。また、3月9日と4月9日の定例の委員会でも、議論しました。臨時及び定例の委員会での議論の結果は、それぞれその日のうちに「2021年2月13日福島県沖の地震の評価」、「2021年3月20日宮城県沖の地震の評価」として公表しました。

 地震調査委員会では、2月13日福島県沖の地震について、地震調査委員会が評価した「日本海溝沿いの地震活動の長期評価(平成31年2月26日公表)」(以下、長期評価)との関係について議論しました。その結果、今回の地震は、震源位置、発震機構、Mの大きさなどから、想定していた沈み込んだプレート内の地震(青森県東方沖及び岩手県沖北部~茨城県沖)であると考えられる、と評価しました。3月20日宮城県沖の地震については、今回の地震の付近では、これまでに1978 年宮城県沖地震(M7.4)等、規模の大きな地震が発生していることから、地震活動の分布や地殻変動観測及び地震波の解析結果から得られた今回の地震の震源域と、周辺で発生した過去の地震の震源域との関係を議論しました。その結果、今回の地震の震源域は、1978 年宮城県沖地震(M7.4)の震源域の西側の一部に重なると考えられるが、同地震や2005 年の宮城県沖の地震(M7.2)の震源域全体には及んでいない、と評価しました。

 また、2月13日福島県沖の地震、3月20日宮城県沖の地震はともに、「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」(以下、東北地方太平洋沖地震)の余震域で発生しました。地震調査委員会では、今後も長期間にわたって東北地方太平洋沖地震の余震域や内陸を含むその周辺で規模の大きな地震が発生し、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性があることに注意が必要である、と評価しました。

(広報誌「地震本部ニュース」令和3年(2021年)夏号)

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