地震調査研究推進本部地震調査委員会は、「新庄盆地断層帯の長期評価の一部改訂」をとりまとめ、平成23年5月19日に公表しました。ここではその概要を紹介します。
新庄盆地断層帯の評価は、平成14年7月10日に公表されていますが、その後、最近の調査結果により、活動履歴などに関する新たな知見が得られたことから、これを基に評価の見直しを行い、一部改訂版としてとりまとめました。
新庄盆地断層帯は、その分布形態から新庄盆地断層帯東部と新庄盆地断層帯西部に区分されます。
新庄盆地断層帯東部は、山形県新庄市から最上郡舟形町(ふながたまち)に至る断層帯です。長さは約22kmで、概ね北北東−南南西方向に延びており、東側が西側に対して相対的に隆起する逆断層です。
新庄盆地断層帯西部は、最上郡鮭川村(さけがわむら)から大蔵村(おおくらむら)に至る断層帯です。長さは約17kmで、ほぼ南北方向に延びており、西側が東側に対して相対的に隆起する逆断層です。
(1)新庄盆地断層帯東部
●最新の活動:約6千2百年前以後
●平均活動間隔:4千年程度
●1回のずれの量:約2m(上下成分)
(2)新庄盆地断層帯西部
●過去の活動:活動時期不明
●平均活動間隔:4千7百年程度
●1回のずれの量:1m程度(上下成分)
(1)新庄盆地断層帯東部
新庄盆地断層帯東部では、断層帯全体がひとつの活動区間として活動した場合、マグニチュード7.1程度の地震が発生する可能性があります。また、その時、断層の近傍の地表面では、東側が西側に対して相対的に約2m高まる段差や撓たわみが生ずる可能性があります。本断層帯東部の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表に示すとおりです。本評価で得られた地震発生の長期確率の最大値をとると、本断層帯東部は今後30年の間に地震が発生する可能性が、わが国の主な活断層の中では「高いグループ」に属することになります。
(2)新庄盆地断層帯西部
新庄盆地断層帯西部では、断層帯全体がひとつの活動区間として活動した場合、マグニチュード6.9程度の地震が発生する可能性があります。また、その時、断層の近傍の地表面では、西側が東側に対して相対的に1m程度高まる段差や撓みが生ずる可能性があります。本断層帯西部では過去の活動が十分に明らかではなく、最新活動時期が特定できていないため、通常の活断層評価とは異なる手法により地震発生の長期確率を求めています。そのため信頼度は低いですが、将来このような地震が発生する長期確率は表に示すとおりであ
り、本断層帯西部は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、わが国の主な活断層の中では「やや高いグループ」に属することになります。
新庄盆地断層帯の評価結果については、右からご覧ください。 https://www.jishin.go.jp/main/chousa/11may_shinjo/index.htm
参考 新庄盆地断層帯での地震を想定した予測震度分布 地震調査研究推進本部 事務局
この震度分布図は、地震の長期評価への理解を深めるとともに、地震に対するイメージを持っていただくために予測を行ったものです。なお、個別地域の被害想定や防災対策の検討を行う場合は、より詳細な地震動評価を別途行う必要があります。
〔解説〕
図は長期評価で想定された地震が発生した場合に予測される、震度分布の概要を示しています。
新庄盆地断層帯東部がひとつの区間として活動する地震が発生した場合には、山形県尾花沢市、北村上郡大石田町で震度6強(赤色)の大変強い揺れが予測されます。震度6 弱(橙色)の強い揺れは、新庄市、最上郡最上町、舟形町から村山市にかけて広がると予測され、震度5強(黄色)の揺れは、最上郡の広い範囲、村上市から山形市にかけての山形盆地内、東田川郡庄内町などの庄内平野および宮城県大崎市、加美郡加美町で予測されています。
新庄盆地断層帯西部がひとつの区間として活動する地震が発生した場合には、山形県新庄市および最上郡戸沢村の一部で震度6強(赤色)の大変強い揺れが予測されています。震度6 弱(橙色)の強い揺れは、新庄市、最上郡鮭川村から大蔵村にかけての地域および酒田市から鶴岡市にかけての庄内平野にも広がり、震度5強(黄色)の揺れは、山形盆地の一部および飽海郡遊佐町から鶴岡市にかけての広い範囲に及ぶと予測されています。
なお、実際の揺れは、予測されたものよりも1〜2ランク程度大きくなる場合があります。特に活断層の近傍などの震度6弱の場所においても、震度6強以上の揺れになることがあります。また、本断層帯西部の震源断層の具体的な傾きは明らかになっておらず、断層の傾きが小さい場合、断層の西側の揺れはさらに大きい可能性があります。
この震度分布図は、地震の長期評価への理解を深めるとともに、地震に対するイメージを持っていただくために予測を行ったものです。なお、個別地域の被害想定や防災対策の検討を行う場合は、より詳細な地震動評価を別途行う必要があります。
〔解説〕
図は長期評価で想定された地震が発生した場合に予測される、震度分布の概要を示しています。
新庄盆地断層帯東部がひとつの区間として活動する地震が発生した場合には、山形県尾花沢市、北村上郡大石田町で震度6強(赤色)の大変強い揺れが予測されます。震度6 弱(橙色)の強い揺れは、新庄市、最上郡最上町、舟形町から村山市にかけて広がると予測され、震度5強(黄色)の揺れは、最上郡の広い範囲、村上市から山形市にかけての山形盆地内、東田川郡庄内町などの庄内平野および宮城県大崎市、加美郡加美町で予測されています。
新庄盆地断層帯西部がひとつの区間として活動する地震が発生した場合には、山形県新庄市および最上郡戸沢村の一部で震度6強(赤色)の大変強い揺れが予測されています。震度6 弱(橙色)の強い揺れは、新庄市、最上郡鮭川村から大蔵村にかけての地域および酒田市から鶴岡市にかけての庄内平野にも広がり、震度5強(黄色)の揺れは、山形盆地の一部および飽海郡遊佐町から鶴岡市にかけての広い範囲に及ぶと予測されています。
なお、実際の揺れは、予測されたものよりも1〜2ランク程度大きくなる場合があります。特に活断層の近傍などの震度6弱の場所においても、震度6強以上の揺れになることがあります。また、本断層帯西部の震源断層の具体的な傾きは明らかになっておらず、断層の傾きが小さい場合、断層の西側の揺れはさらに大きい可能性があります。
(広報誌「地震本部ニュース」平成23年(2011年)6月号)