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  3. 石狩低地東縁断層帯の長期評価を一部改訂

(広報誌「地震本部ニュース」平成22年(2010年)11月号)



 地震調査研究推進本部地震調査委員会は、「石狩低地東縁断層帯の長期評価の一部改訂」をとりまとめ、平成22年8 月26日に公表しました。ここではその概要を紹介します。
 石狩低地東縁断層帯の評価は平成15年11月12日に公表されていますが、その後、最近の調査結果により、活動履歴などに関する新たな知見が得られたことから、これを基に評価の見直しを行い、一部改訂版としてとりまとめました。




 石狩低地東縁断層帯は、北海道西部の石狩平野とその東側に分布する岩見沢丘陵、栗沢丘陵、馬追丘陵との境界付近に位置する活断層帯であり、その分布形態から石狩低地東縁断層帯主部と石狩低地東縁断層帯南部に区分されます。
 石狩低地東縁断層帯主部は、北海道美唄(びばい)市から岩見沢市、夕張郡栗山町、夕張郡長沼町、夕張郡由仁(ゆに)町、千歳市を経て、勇払(ゆうふつ)郡安平(あびら)町に至る断層帯です。長さは約66km と推定され、東側が西側に対して相対的に隆起する逆断層です。
 石狩低地東縁断層帯南部は、千歳市から勇払郡安平町、苫小牧市、勇払郡厚真(あつま)町を経て、沙流(さる)郡日高町沖合の海域に至る断層帯です。長さは54km 以上と推定され、東側が西側に対して相対的に隆起する逆断層です。


(1)石狩低地東縁断層帯主部
●最新の活動
 1739 年以後、1885 年以前
●平均活動間隔
 1,000 〜 2,000 年程度
●1回のずれの量
 約2mもしくはそれ以上(上下成分)

(2)石狩低地東縁断層帯南部
●過去の活動
 不明
●平均活動間隔
 17,000 年程度以上
●1回のずれの量
 4m程度以上


(1)十日町断層帯西部
(1)石狩低地東縁断層帯主部
 石狩低地東縁断層帯主部は、全体がひとつの活動区間として活動した場合、マグニチュード7.9程度の地震が発生する可能性があります。その際、断層に近い地表面では、東側が西側に対して相対的に約2mもしくはそれ以上高まる段差や撓たわみが生ずる可能性があります。石狩低地東縁断層帯主部の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は、表に示すとおりです。

(2)石狩低地東縁断層帯南部
 石狩低地東縁断層帯南部は、全体がひとつの活動区間として活動した場合、マグニチュード7.7程度以上の地震が発生する可能性があります。その際、断層に近い地表面では、東側が西側に対して相対的に4m程度以上高まる段差や撓たわみが生ずる可能性があります。
 石狩低地東縁断層帯南部では、最新活動時期が特定できていないため、通常の活断層評価とは異なる手法により地震発生の長期確率を求めています。そのため、信頼度は低いものの、将来このような地震が発生する長期確率は表に示すとおりとなります。本評価で得られた地震発生確率には幅がありますが、その最大値をとると、石狩低地東縁断層帯南部は、今後30年の間に地震が発生する確率が、我が国の主な活断層の中では「やや高いグループ」に属することになります。




 図は長期評価で想定された地震が発生した場合に予測される、震度分布の概要を示しています。
 石狩低地東縁断層帯南部がひとつの区間として活動する地震が発生した場合には、苫小牧市から勇払平野にかけて、また千歳市から北広島市、夕張郡(長沼町、由仁町、栗山町)といった馬追丘陵の両側にあたる部分で震度6強(赤色)の大変強い揺れが予測されます。震度6弱(橙
色)の強い揺れは、北は札幌市から岩見沢市、南は苫小牧市沿岸部及び日高地方の一部にかけて広がり、震度5強(黄色)の揺れは勇払平野から石狩平野に至る広い範囲や、富良野盆地の一部でも予測されます。さらに、石狩平野の北部及び空知地方の南部から日高地方東部の広い範囲や、富良野盆地の南東部にかけて震度5弱(黄緑色)の揺れに見舞われると予測されます。
 なお、実際の揺れは、予測されたものよりも1〜2ランク程度大きくなる場合があります。特に活断層の近傍などの震度6弱の場所においても、震度6強以上の揺れになることがあります。さらに、本断層帯周辺では堆積層が厚いこと、震源断層の位置・深さや地下構造に不確実性があることから、実際には震度7となる地域が存在する可能性があります。

(広報誌「地震本部ニュース」平成22年(2010年)11月号)

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