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地震観測は、弘前大学の7か所の観測点の他に、青森県・東北大学・北海道大学・気象庁・防災科学技術研究所の観測点も含めて、約160点からのデータを常時収録して行っています。
観測所における研究は、青森県東方沖のアスペリティの性質の解明と、内陸の応力場と地震発生の関係を中心に行っています。アスペリティの研究では、相似地震の検出とそれに基づくプレート間のゆっくりすべりの空間的・時間的変化の把握を行っています。内陸地震に関しては、他大学との合同観測データも用いて、跡津川断層周辺や2004年新潟県中越地震の震源域などにおいて、応力場の不均質性と地震活動の関係などを検討しています。
平成21年には、弘前大学創立60周年記念事業の一環として、学内共同利用施設内にアースビジョン(写真)が制作されました。これは観測所のスタッフが監修したもので、直径1.5mの球形のディスプレイに世界の地震の分布が表示され、タッチパネルで表示メニューを選び、トラックボールで地球の回転ができるようになっています。これは学生・生徒・児童さらには一般市民向けにも優れた地震教材であり、今後の活用が期待されます。
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(広報誌「地震本部ニュース」平成22年(2010年)8月号)