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  1. 地震・津波の提供情報
  2. コラム
  3. 活断層分科会(今泉俊文)

 活断層分科会(名称は平成8年設置の委員会と同じ)が平成22年2月に発足しました。それまでの活断層評価分科会を継承するものではありますが、この分科会では、活断層評価手法等検討分科会で議論された結果を受けて、主要活断層帯(当初の98活断層帯から 110活断層帯)の評価から、全国をいくつかの地域に分けて、地域ごとに活断層の特性を評価することになりました。したがって110活断層帯の評価結果も当然含まれますが、これまで断層の長さが短い(20km未満)という理由で評価の対象にはならなかった活断層も重要であれば取り上げられます。
 2008年岩手・宮城内陸地震や2000年鳥取西部の地震は、活断層がノーマークの場所で地震が発生しました。また、2005年福岡県西方沖地震、2007年能登半島地震、同年中越沖地震などのように情報が少ない沿岸域でも地震が発生しています。このように、陸上だけではなく沿岸域でも見落とされている重要な活構造帯(震源域として想定しておくべき場所)があるのではないかという検討も行われます。
 地震は地下に溜まったエネルギーが解放されるときに発生し、そのとき地下の岩石・地層にずれが生じます。そのずれが大きい時や地下の浅い場所で地震が起こる時には地表に断層崖等の痕跡が現れます。地表に記された痕跡(変動地形)を正しく評価するためには、地下からの情報、つまり地質構造や重力、地震活動(現在・過去を含めて)などを含めて考えることが大変重要になります。このために委員会は、変動地形の専門家に加え、地質・重力・地震活動などを専門とする研究者で構成されています。また、それぞれの地域の情報に詳しい研究者の協力も必要になります。
 内陸地震は、いつ・どこで起こるかわかりません。現在取得できている情報を総合して地震規模とその発生確率を評価することが重要です。その結果が地域の強震動予測、ひいては地域の防災対策に役立つものであると思います。そのためには活断層の地域評価は急がなければなりません。

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