警固断層帯
警固(けご)断層帯は、玄界灘から博多湾を経て、福岡平野にかけてほぼ北西−南東に分布する活断層帯です。2005年の福岡県西方沖の地震は、従来からその存在が認められていた陸域の警固断層の、北西延長上の玄界灘で発生しました。この地震の余震域と警固断層は、直線上にほぼ連続していることから、一連の活断層帯であると考え、これらをまとめて警固断層帯として扱っています。
警固断層帯は、福岡市東区志賀島北西沖の玄界灘から博多湾、同市中央区、同市南区、春日市、大野城市、太宰府市を経て、筑紫野市に至る断層帯です。断層帯の長さは55km程度で、概ね北西−南東方向に延びています。警固断層帯は、過去の活動時期の違いから、玄界灘から志賀島付近にかけての2005年の福岡県西方沖の地震の震源域にあたる北西部と、志賀島南方沖の博多湾から筑紫野市の警固断層にあたる南東部に区分されます。警固断層帯は、断層帯北西部、断層帯南東部ともに左横ずれを主体とし、断層帯南東部では南西側隆起成分の縦ずれを伴います。
【 断層帯の過去・将来の活動 】 【 将来の地震発生の可能性 】 【 もしこの地震が発生したら 】 【 リンク 】
○断層帯の過去・将来の活動 [上に戻る]
<過去の活動>
警固断層帯北西部の最新の活動は、2005年の福岡県西方沖の地震(マグニチュード7.0)です。この地震以前の活動履歴は不明です。
警固断層帯南東部の最新活動時期は、約4千3百年前以後、約3千4百年前以前であった可能性があります。また、平均活動間隔は、約3千1百−5千5百年の可能性があります。
<将来の活動>
警固断層帯は、過去の活動と同様に北西部と南東部の2つの区間に分かれて活動すると推定されます。
警固断層帯北西部ではマグニチュード7.0程度の地震が発生し、その際には2m程度の左横ずれが生じると推定されます。警固断層帯北西部は、平均活動間隔などが明らかでないため、将来このような地震が発生する長期確率を求めることができません。ただし、断層帯北西部の最新活動が2005年福岡県西方沖の地震であったことを考慮すると、我が国の主な活断層の平均的な活動間隔と比べ非常に短い時間しか経過していないことから、断層帯北西部でごく近い将来に今回評価したような地震が発生する可能性は低いと考えられます。
警固断層帯南東部ではマグニチュード7.2程度の地震が発生すると推定され、その際には断層近傍の地表面で、2m程度の左横ずれが生じる可能性があります。地震発生の確率には幅がありますが、その最大値をとると、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。
なお、断層帯北西部の2005年の活動により、断層帯南東部で地震が発生する可能性は、より高くなっているという指摘もあり、そのことに留意する必要があります。
また、遠い将来においては警固断層帯全体が同時に活動する可能性も否定できません。この場合の地震の規模は、マグニチュード7.7程度となります。ただし、現時点でこのような地震の発生する確率は低いと考えられます。
詳しい内容を知りたい方は、「警固断層帯の評価」をご覧下さい。
また、関連資料として「九州地域の活断層の長期評価」もご覧下さい。
○将来の地震発生の可能性 [上に戻る]
≪北西部≫
地震の規模 : M7.0程度
地震発生確率: 不明
平均活動間隔: 不明
最新活動時期: 2005年福岡県西方沖の地震
≪南東部≫
地震の規模 : M7.2程度
地震発生確率: 30年以内に、0.3%~6% (地震発生確率値の留意点)
地震後経過率: 0.6−1.4 (地震後経過率とは?)
平均活動間隔: 約3100年−5500年
最新活動時期: 約4300年前−3400年前
詳しい内容を知りたい方は、「警固断層帯の評価」および「長期評価結果一覧」をご覧下さい。
また、関連資料として「九州地域の活断層の長期評価」もご覧下さい。
○もしこの地震が発生したら [上に戻る]
≪警固断層帯北西部≫
≪警固断層帯南東部≫
詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。
○リンク [上に戻る]
地震動予測地図等
- 全国地震動予測地図
「全国地震動予測地図」 のページです。 - 地震ハザードステーション(J−SHIS)
防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。 - 長周期地震動予測地図
将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。 - 警固断層帯の地震による予測震度分布
「警固断層帯の長期評価(平成19年3月19日公表)」とあわせて示した予測震度分布図です。 - 警固断層帯(南東部)の地震を想定した強震動評価(平成20年4月11日公表)
活断層評価等
- 長期評価 (警固断層帯の評価)
警固断層帯の将来の地震発生の可能性についての評価です。 - 長期評価結果一覧
主要な活断層や海溝型地震(プレートの沈み込みに伴う地震)の活動間隔、次の地震の発生可能性〔場所、規模(マグニチュード)及び発生確率〕等の評価(長期評価)の概要を一覧にして掲載しています。 - 「九州地域の活断層の地域評価」
九州地域の陸域及び沿岸海域に分布し、M6.8以上の地震を引き起こす可能性のある活断層について、総合的に評価しました。 - 警固断層帯(南東部)における重点的調査観測
文部科学省では、「新たな活断層調査について」(地震調査研究推進本部,2009)の中で、地震後経過率の最大値が1.0を超え、断層が通過する市町村の総人口が概ね50万人を超える等、地震が発生した際の社会的影響が大きいとされた警固断層帯において、大学、関係行政機関および関係する独立行政法人に委託し、平成23年度から重点的な調査観測を実施しています。 - 活断層調査
- 産業技術総合研究所 活断層データベース
日本全国の活断層(活動セグメント)の分布とそのパラメータ、日本の活断層に関係する文献の書誌データ、文献から採録された調査地点ごとの調査結果データ、地下数十キロメートルまでの地下構造データが収録されています。 - 国土地理院 活断層図(都市圏活断層図)
国土地理院の活断層図(都市圏活断層図)のページです。
地震活動等
- 毎月の地震活動の評価
地震調査委員会による毎月(および臨時)の地震活動の評価です。 - 主な地震活動の評価
各地震活動について、これまでに公表された評価結果をとりまとめたものです。 - 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−
全国の地震活動の概要と地震に関する基礎知識、そして、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国及び九州・沖縄に区分し、その地方の地震活動の概要をはじめ、その地域に被害を及ぼす地震のタイプ、これまでに発生した主な被害地震の概要、都道府県別(北海道は地域別)の特徴について書かれています。 - 震源・震度に関する情報
気象庁、防災科学技術研究所、大学などの地震観測データに基づく震源・震度に関する情報です。 - 地震に関するパンフレット
地震発生のしくみ、地震調査研究推進本部の取組などを解説した各種パンフレットです。
地方自治体等
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