雲仙断層群
雲仙断層群は、島原湾から島原半島を経て橘湾にかけて分布する活断層群です。
雲仙断層群は、島原湾から島原半島を経て橘湾にかけてほぼ東西に分布する断層群です。雲仙断層群は、ほぼ東西方向の多数の断層から構成されますが、断層の走向や変位の向きから、雲仙断層群北部、雲仙断層群南東部及び雲仙断層群南西部の3つに区分されます。なお、雲仙断層群が分布する島原半島のほぼ中央には、活火山の雲仙岳が位置しています。
雲仙断層群北部は、長崎県島原市から諫早(いさはや)市南方沖の海域に至る断層群です。長さは30km程度以上で、ほぼ東西方向に延びる、主として相対的に北側が隆起する正断層です。
雲仙断層群南東部は、長崎県南島原市布津(ふつ)町東方沖から雲仙市小浜(おばま)町に至る断層群です。長さは23km程度で、ほぼ東西方向に延びる、相対的に南側が隆起する正断層です。
雲仙断層群南西部は、過去の活動時期から北部と南部に区分されます。北部は、長崎県南島原市西有家(にしありえ)町から長崎市南東沖に至る断層群です。長さは30km程度で、ほぼ東西方向に延びる、主として相対的に南側が隆起する正断層です。南部は、長崎県雲仙市南串山町西方沖から長崎市南方沖に至る断層群です。長さは23km程度で、ほぼ東西方向に延びる、主として相対的に北側が隆起する正断層です。
【 断層帯の過去・将来の活動 】 【 将来の地震発生の可能性 】 【 もしこの地震が発生したら 】 【 リンク 】
○断層帯の過去・将来の活動 [上に戻る]
<過去の活動>
雲仙断層群北部の最新活動時期は、約5千年前以後であった可能性がありますが、平均活動間隔は不明です。
雲仙断層群南東部の最新活動時期は、約7千3百年前以後であった可能性がありますが、平均活動間隔は不明です。
雲仙断層群南西部の北部の平均的なずれの速度は、1m/千年程度であった可能性があります。最新活動時期は約2千4百年前以後、11世紀以前と推定され、平均活動間隔は、約2千5百−4千7百年であった可能性があります。南部の平均的なずれの速度は、0.3m/千年以上であった可能性があります。南部の活動時期については、約4千5百年前以後、16世紀以前に最新活動を含む1回あるいは2回の活動があった可能性があります。また、平均活動間隔は、約2千1百年−6千5百年であった可能性があります。
<将来の活動>
雲仙断層群北部は、全体が1つの活動区間として活動すると推定され、マグニチュード7.3程度以上の地震が発生する可能性があります。この場合、断層の北側が南側に対して相対的に2−3m程度以上高くなる段差を生じる可能性があります。雲仙断層群北部の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は不明です。
雲仙断層群南東部は、全体が1つの区間として活動すると推定され、マグニチュード7.1程度の地震が発生する可能性があります。この場合、断層の南側が北側に対して相対的に2m程度高くなる段差を生じる可能性があります。雲仙断層群南東部の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は不明です。
雲仙断層群南西部は、北部と南部が単独で活動する場合、それぞれマグニチュード7.3程度及び7.1程度の地震が発生する可能性があります。この場合、北部では、断層の南側が北側に対して相対的に3−4m程度高くなる段差を生じる可能性があります。南部では、断層の北側が南側に対して相対的に2m程度高くなる段差を生じる可能性があります。また、断層群南西部全体が1つの区間として活動する場合、マグニチュード7.5程度の地震が発生する可能性があります。
地震発生の長期確率には幅がありますが、その最大値をとると、北部は今後30年の間に地震が発生する可能性が我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。南部については、平均活動間隔に対して最新活動時期が十分特定できないため、通常の活断層評価とは異なる手法により地震発生の長期確率を求めています。南部は、今後30年の間に地震が発生する確率が、我が国の主な活断層の中では、やや高いグループに属することになります。
断層群南西部全体が同時に活動する場合の地震発生確率は、北部及び南部が単独で活動する場合の確率を超えないものと考えられます。
詳しい内容を知りたい方は、「雲仙断層群の評価(一部改訂)」をご覧下さい。
また、関連資料として「九州地域の活断層の長期評価」もご覧下さい。
○将来の地震発生の可能性 [上に戻る]
≪北部≫
地震の規模 : M7.3程度以上
地震発生確率: 不明
平均活動間隔: 不明
最新活動時期: 約5000年前以後
≪南東部≫
地震の規模 : M7.1程度
地震発生確率: 不明
平均活動間隔: 不明
最新活動時期: 約7300年前以後
≪南西部(北部)≫
地震の規模 : M7.3程度
地震発生確率: 30年以内に、ほぼ0%~4% (地震発生確率値の留意点)
地震後経過率: 0.2−1.0 (地震後経過率とは?)
平均活動間隔: 約2500年−4700年
最新活動時期: 約2400年前−11世紀
≪南西部(南部)≫
地震の規模 : M7.1程度
地震発生確率: 30年以内に、0.5%~1% (地震発生確率値の留意点)
平均活動間隔: 約2100年−6500年
最新活動時期: 約4500年前−16世紀
詳しい内容を知りたい方は、「雲仙断層群の評価(一部改訂)」および「長期評価結果一覧」をご覧下さい。
また、関連資料として「九州地域の活断層の長期評価」もご覧下さい。
○もしこの地震が発生したら [上に戻る]
≪雲仙断層群北部≫
≪雲仙断層群南東部≫
≪雲仙断層群南西部北部≫
≪雲仙断層群南西部南部≫
詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。
○リンク [上に戻る]
地震動予測地図等
- 全国地震動予測地図
「全国地震動予測地図」 のページです。 - 地震ハザードステーション(J−SHIS)
防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。 - 長周期地震動予測地図
将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。
活断層評価等
- 長期評価(雲仙断層群の評価(一部改訂))
雲仙断層群の将来の地震発生の可能性についての評価です。 - 長期評価結果一覧
主要な活断層や海溝型地震(プレートの沈み込みに伴う地震)の活動間隔、次の地震の発生可能性〔場所、規模(マグニチュード)及び発生確率〕等の評価(長期評価)の概要を一覧にして掲載しています。 - 「九州地域の活断層の地域評価」
九州地域の陸域及び沿岸海域に分布し、M6.8以上の地震を引き起こす可能性のある活断層について、総合的に評価しました。 - 活断層調査
- 産業技術総合研究所 活断層データベース
日本全国の活断層(活動セグメント)の分布とそのパラメータ、日本の活断層に関係する文献の書誌データ、文献から採録された調査地点ごとの調査結果データ、地下数十キロメートルまでの地下構造データが収録されています。 - 国土地理院 活断層図(都市圏活断層図)
国土地理院の活断層図(都市圏活断層図)のページです。
地震活動等
- 毎月の地震活動の評価
地震調査委員会による毎月(および臨時)の地震活動の評価です。 - 主な地震活動の評価
各地震活動について、これまでに公表された評価結果をとりまとめたものです。 - 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−
全国の地震活動の概要と地震に関する基礎知識、そして、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国及び九州・沖縄に区分し、その地方の地震活動の概要をはじめ、その地域に被害を及ぼす地震のタイプ、これまでに発生した主な被害地震の概要、都道府県別(北海道は地域別)の特徴について書かれています。 - 震源・震度に関する情報
気象庁、防災科学技術研究所、大学などの地震観測データに基づく震源・震度に関する情報です。 - 地震に関するパンフレット
地震発生のしくみ、地震調査研究推進本部の取組などを解説した各種パンフレットです。
地方自治体等
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