琵琶湖西岸断層帯
琵琶湖西岸断層帯は、近江盆地の西縁に沿って延びる活断層帯です。
琵琶湖西岸断層帯は、滋賀県高島市(旧マキノ町)から大津市国分付近に至る断層帯で、概ね南北方向に延びています。本断層帯は過去の活動時期の違いから、断層帯北部と断層帯南部に区分されます。断層帯北部は、高島市に分布する断層であり、長さは約23kmで、ほぼ南北方向に延びています。断層帯南部は、高島市南方(旧高島町付近)の琵琶湖西岸付近から大津市国分付近に至る断層であり、長さは約38kmで、北北東−南南西方向に延びています。断層帯全体としての長さは約59kmであり、断層の西側が東側に対して相対的に隆起する逆断層です。
【 断層帯の過去・将来の活動 】 【 将来の地震発生の可能性 】 【 もしこの地震が発生したら 】 【 リンク 】
○断層帯の過去・将来の活動 [上に戻る]
<過去の活動>
琵琶湖西岸断層帯北部の平均的な上下方向のずれの速度は、約1.8−2.1m/千年である可能性があります。最新活動時期は約2千8百年前以後、約2千4百年前以前で、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に2−5m程度隆起した可能性があります。また、野外調査から直接得られたデータではありませんが、1回のずれの量と平均的なずれの速度に基づくと、平均活動間隔は約1千−2千8百年であった可能性があります。
琵琶湖西岸断層帯南部の平均的な上下方向のずれの速度は、約1.4m/千年である可能性があります。最新活動時期は1185年(元暦2年)の地震であった可能性があり、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に6−8m程度隆起した可能性があります。また、平均活動間隔は約4千5百−6千年であった可能性があります。
<将来の活動>
琵琶湖西岸断層帯は、過去の活動と同様に北部と南部の2つの区間に分かれて活動すると推定されますが、断層帯全体が1つの区間として同時に活動する可能性もあります。
琵琶湖西岸断層帯北部では、全体が1つの区間として活動する場合、マグニチュード7.1程度の地震が発生すると推定され、その際に断層近傍の地表面では、断層の西側が東側に対して相対的に2−5m程度高まる段差や撓(たわ)みが生じる可能性があります。断層帯北部では、活動間隔の長さと比較して最新活動時期からの経過時間が非常に長いため、通常の活断層評価とは異なる手法により地震発生の長期確率を求めています。地震発生確率には幅がありますが、その最大値をとると、断層帯北部は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。
琵琶湖西岸断層帯南部では、全体が1つの区間として活動する場合、マグニチュード7.5程度の地震が発生すると推定され、その際に断層の近傍の地表面では、断層の西側が東側に対して相対的に6−8m程度高まる段差や撓みが生じる可能性があります。
琵琶湖西岸断層帯全体が同時に1つの区間として活動する場合には、マグニチュード7.8程度の地震が発生すると推定されます。断層帯全体が同時に活動する場合の確率は、断層帯南部が単独で活動する場合の確率を超えないものと考えられます。
詳しい内容を知りたい方は、「琵琶湖西岸断層帯の評価(一部改訂)」をご覧下さい。
○将来の地震発生の可能性 [上に戻る]
≪北部≫
地震の規模 : M7.1程度
地震発生確率: 30年以内に、1%~3% (地震発生確率値の留意点)
平均活動間隔: 約1000年−2800年
最新活動時期: 約2800年前−2400年前
≪南部≫
地震の規模 : M7.5程度
地震発生確率: 30年以内に、ほぼ0% (地震発生確率値の留意点)
地震後経過率: 0.1−0.2 (地震後経過率とは?)
平均活動間隔: 約4500年−6000年
最新活動時期: 1185年(元暦2年)の地震
詳しい内容を知りたい方は、「琵琶湖西岸断層帯の評価(一部改訂)」および「長期評価結果一覧」をご覧下さい。
○もしこの地震が発生したら [上に戻る]
≪琵琶湖西岸断層帯北部≫
≪琵琶湖西岸断層帯南部≫
詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。
○リンク [上に戻る]
地震動予測地図等
- 全国地震動予測地図
「全国地震動予測地図」 のページです。 - 地震ハザードステーション(J−SHIS)
防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。 - 長周期地震動予測地図
将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。 - 琵琶湖西岸断層帯の地震を想定した強震動評価(平成16年6月21日公表)
- 琵琶湖西岸断層帯北部の地震による予測震度分布
「琵琶湖西岸断層帯の長期評価(一部改訂)(平成21年8月27日公表)」とあわせて示した予測震度分布図です。 - 内閣府 中部圏・近畿圏直下地震対策
内閣府「防災情報のページ」の中部圏・近畿圏直下地震対策のページです。内閣府では中部圏・近畿圏直下地震対策で、琵琶湖西岸断層帯の地震を検討対象としています。
活断層評価等
- 長期評価 (琵琶湖西岸断層帯の評価(一部改訂))
琵琶湖西岸断層帯の将来の地震発生の可能性についての評価です。 - 長期評価結果一覧
主要な活断層や海溝型地震(プレートの沈み込みに伴う地震)の活動間隔、次の地震の発生可能性〔場所、規模(マグニチュード)及び発生確率〕等の評価(長期評価)の概要を一覧にして掲載しています。 - 活断層調査
- 産業技術総合研究所 活断層データベース
日本全国の活断層(活動セグメント)の分布とそのパラメータ、日本の活断層に関係する文献の書誌データ、文献から採録された調査地点ごとの調査結果データ、地下数十キロメートルまでの地下構造データが収録されています。 - 国土地理院 活断層図(都市圏活断層図)
国土地理院の活断層図(都市圏活断層図)のページです。
地震活動等
- 毎月の地震活動の評価
地震調査委員会による毎月(および臨時)の地震活動の評価です。 - 主な地震活動の評価
各地震活動について、これまでに公表された評価結果をとりまとめたものです。 - 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−
全国の地震活動の概要と地震に関する基礎知識、そして、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国及び九州・沖縄に区分し、その地方の地震活動の概要をはじめ、その地域に被害を及ぼす地震のタイプ、これまでに発生した主な被害地震の概要、都道府県別(北海道は地域別)の特徴について書かれています。 - 震源・震度に関する情報
気象庁、防災科学技術研究所、大学などの地震観測データに基づく震源・震度に関する情報です。 - 地震に関するパンフレット
地震発生のしくみ、地震調査研究推進本部の取組などを解説した各種パンフレットです。
地方自治体等
【近畿地方】- 津地方気象台
津地方気象台のページです。三重県の気象・地震概況等を閲覧することができます。 - 彦根地方気象台
彦根地方気象台のページです。滋賀県の被害地震の情報や気象・地震概況等を閲覧することができます。 - 京都地方気象台
京都地方気象台のページです。京都府の地震活動等を閲覧することができます。 - 大阪管区気象台
大阪管区気象台のページです。大阪管区内および大阪府の地震活動など、様々な情報が掲載されています。 - 神戸地方気象台
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