色丹島沖及び択捉島沖
千島海溝沿いの評価対象領域 (図をクリックすると拡大表示)
地震本部は、過去の色丹島沖及び択捉島沖のプレート間巨大地震については、1839年以降、色丹島沖付近で1893年(M7.7)と1969年(M7.8,Mt8.2,Mw8.2)の2つ、択捉島沖付近で1918年(M8.0,Mt8.5,Mw8.1)、1963年(M8.1,Mt8.4,Mw8.5)、1995年(M7.3,Mt7.7,Mw7.9)の3つの計5つが発生したと評価しました。ただし、1893年と1918年の地震に関する記録や知見は乏しく、震源域や規模の不確実性はほかのプレート間巨大地震に比べて大きいです。また、1918年の地震は、1963年の地震とは震源域が完全には一致しないとする知見があります。色丹島沖及び択捉島沖で発生した地震については、特に規模が大きかった1963年と1969年の地震の震源域は重ならないものの、それ以前の地震の震源域の不確実性が大きいため両領域を区別せずに評価を行いました。
【 将来の地震発生の可能性 】 【 色丹島沖及び択捉島沖の地震の過去の発生状況と被害 】 【 リンク 】
○将来の地震発生の可能性 [上に戻る]
地震の規模 : M7.7~8.5前後
地震発生確率: 30年以内に、60%程度 (地震発生確率値の留意点)
平均活動間隔: 35.5年
最新発生時期: 1995年12月4日
詳しい内容を知りたい方は、「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)」をご覧下さい。
○根室沖の地震の過去の発生状況と被害 [上に戻る]
発生年月日 | 地震の規模 | 被害等 |
1893年6月4日 | M7.7 | 根室・厚岸・色丹島では強震で、択捉島では岩石の崩壊があった(札幌管区気象台,2000)。津波の高さは色丹島で2~3m(Solov’ev,1978)、択捉島で1.5m(渡辺,1998)であった。 |
1918年9月8日 | M8.0, Mt8.5, Mw8.1 |
震央はウルップ島沖であった。沼津まで有感であった。ウルップ島岩美湾では地震後35分で津波が来襲し家屋などが全滅し、当時そこにいた63名中24名が死亡した。波高は6~12mであった(宇佐美・他,2013)。日本沿岸の津波の浸水高は根室1m、花咲0.5m、三陸沿岸1m以下などであった(渡辺,1998)。なお、同年11月8日に余震と見られるM7.9の地震が発生し、花咲と鮎川で弱い津波を記録したほか、父島で0.5mの高さの津波を観測した(渡辺,1998)。 |
1963年10月13日 | M8.1, Mt8.4, Mw8.5 |
震央は択捉島南島沖であった。津波の波高はウルップ島4.0~4.4m、択捉島4.0mであり、両島で津波による被害が生じた(渡辺,1998)。津波の最大全振幅は花咲121cm、釧路90cm、八戸130cmなどで、三陸沿岸で漁業施設に軽微な被害が生じた(宇佐美・他,2013)。 |
1969年8月12日 | M7.8, Mt8.2, Mw8.2 |
震央は北海道東方沖で、色丹島の沖合であった。北海道東部太平洋沿岸で震度4を観測し、津波により北海道東部で国鉄護岸の前傾(厚岸-門静間)、浜中町琵琶瀬湾で養殖わかめの筏破損などの被害を生じた(宇 佐美・他,2013)。津波の高さは検潮所の高さで花咲129cm、浸水高では釧路93cm、八戸109cmなどであった。また平均高では色丹島で2.75m、択捉島で1.15m(Solov’ev,1978)であった。 |
1995年12月4日 | M7.3, Mt7.7, Mw7.9 |
震央は択捉島南東沖であった。浦河、釧路、厚岸で震度2を観測した。津波の最大全振幅は父島40cm、根室34cm、釧路20cmなどであった。 |
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