2.2 レシピ(概要)
「レシピ」とは、危険な(地震発生の可能性が高い)活断層や海溝域が存在するとき、そこで引き起こされる可能性の高い将来の地震による強震動予測を、誰がやっても同じ答えが得られる標準的な方法論としてまとめたものです。ここでいう強震動とは、単に最大加速度、最大速度、震度、という単純化された指標だけではなく、一般的な構造物に対する破壊力を知ることのできる大振幅の計算波形を意味しています。
強震動予測の「レシピ」は、
想定する地震の震源の特性化、
震源と対象地域を包含する地下構造・地盤構造のモデル化、
地震動のシミュレーション手法、
予測結果の検証
から構成されます。この「レシピ」を適用することにより、地震災害軽減対策の要である、構造物の被害に関係する周期0.1秒から10秒の広い周期帯域における強震動の高精度予測が可能となります。
このレシピは随時見直しを行っており、最近では平成17年(2005年)3月20日に発生した福岡県西方沖の地震において、多数の観測記録が得られたことから、レシピそのものの検証を行い、改良しました。このレシピの最新版の詳細については、付録3を参照下さい。また、「2005年福岡県西方沖の地震の観測記録に基づく強震動評価手法の検証について」はこちらを参照下さい。