1.2.2 中日本地域の特徴
この地域は南海トラフの地震(東海地震および東南海地震)の影響が大きく、静岡県、愛知県は全域で確率が高いと評価されています。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および茨城県南部が位置する関東平野全域にも確率が高い地域が広がっています。また、長野県の中央部に南北に延びる形で確率の高い地域が広がっています。
図1.2−5 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率
(中日本地域、平均ケース)
○印は都道府県庁を示す。
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図1.2−6 中日本地域の主要活断層帯の位置と海溝型地震の領域
赤線:主要活断層帯の断層モデル上端位置
青線:海溝型地震の領域
○印は都道府県庁
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図1.2−7 今後30年以内に震度6弱以上の揺れをもたらす可能性のある地震の影響度(関東・中部地方)
市名の下に記載している確率値は、各々の市役所周辺における、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示します。
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前橋市(群馬県):やや高い。影響度としては南海トラフの地震が相対的に高くなっています。
水戸市(茨城県):高い。沈み込む太平洋プレート内で発生する地震と南関東のマグニチュード7程度の地震の影響度が高くなっています。
宇都宮市(栃木県):やや高い。南関東のマグニチュード7程度の地震の影響度が高くなっています。このほか、沈み込む太平洋プレート内で発生する地震、活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度も相対的に高くなっています。
さいたま市(埼玉県):高い。南関東のマグニチュード7程度の地震、南海トラフの地震の影響度が高くなっています。
千葉市(千葉県):高い。南関東のマグニチュード7程度の地震が最も影響度が高くなっています。また、沈み込む太平洋プレート内で発生する地震の影響度も相対的に高いことが分かります。
新宿区(東京都):高い。海溝型地震の影響度が高くなっています。最も影響度が高いのは南関東のマグニチュード7程度の地震です。そのほか、南海トラフの地震の影響度も高いことが分かります。
横浜市(神奈川県):高い。海溝型地震の影響が高くなっています。これに加えて主要活断層帯のうち発生確率が高い神縄・国府津−松田断層帯の地震の影響度も相対的に高くなっています。
新潟市(新潟県):高い。日本海東縁部の地震である佐渡島北方沖の地震の影響度が高くなっていますが、最も影響度が高いのは活断層が特定されていない場所で発生する地震です。
富山市(富山県):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が高くなっています。これは地震発生確率の高い高山・大原断層帯や砺波平野断層帯・呉羽山断層帯の影響であると考えられます。
金沢市(石川県):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が高くなっています。これは発生確率の高い森本・富樫断層帯の地震によるものであると考えられます。
福井市(福井県):やや高い。相対的に最も影響度が高いのは、活断層が特定されていない場所で発生する地震です。
甲府市(山梨県):高い。南海トラフの地震の影響度が最も高いほか、糸魚川−静岡構造線断層帯の地震の影響も見られます。
長野市(長野県):高い。主要活断層帯の地震の影響が支配的です。これは、長野県の中央部を南北に走る、発生確率の高い糸魚川−静岡構造線断層帯の地震によるものです。
岐阜市(岐阜県)、静岡市(静岡県)、名古屋市(愛知県):高い。これらの地域では南海トラフの地震の震源域に近く、その影響度が非常に高く支配的です。