「全国を概観した地震動予測地図」 2007年版

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ミニコラム

地震と地震動の違い

 地震とは、地下の岩盤に力が加わり、断層運動というかたちで破壊が生じる現象です。この地震が発生することによって生じる地面あるいは地中の揺れを地震動と言います。地震の震源で発生した振動は地震波として地中を伝わり、その結果地面が揺れます。被害をもたらすような強い地震動を特に強震動と言います。

〔補足〕 「あっ、地震だ!」のように日常用語として使う「地震」は、人が感じた大地の揺れを意味することが多いですが、例えば「地震の分布」の「地震」は、これとは違った意味で用いられています。後者の意味での「地震」は、大地に揺れをもたらす源のことで、地下で発生した岩石の破壊(ずれ)現象のことをいいます。これと区別するために前者を「地震動」と使い分けています。


自然災害・事故等の発生確率との比較

自然災害・事故等の発生確率との比較左の表は、今後30年以内に数%という値が、災害や事故・犯罪にあう可能性と比較して、どの程度に位置するかを統計資料で調べたものです。詳細は2006年版報告書をご覧ください。

地震の種類

 日本列島とその周辺では、日本列島が載っている陸側のプレートと、太平洋プレートおよびフィリピン海プレートという厚さ数十km程度の地球表面を覆う岩盤があり、海側の2つのプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。この地域で発生する地震は、その分布から、「陸域および沿岸域で発生する地震」と「海溝等のプレート境界やその近くで発生する地震」の2つに大きく分けられます。

図 日本列島とその周辺のプレート
図 日本列島とその周辺のプレート

図中の矢印は陸側のプレートに対する海のプレートの相対運動を示します。

図 日本列島とその周辺で発生する地震のタイプ
図 日本列島とその周辺で発生する地震のタイプ

断層面上の矢印は相対的なずれの向きを示します。


過去に発生した地震の地震発生直前における確率

 過去に発生した地震に対して、その地震が発生する前にさかのぼり、発生可能性について計算してみたものが以下の表です。

地震名活動した活断層地震発生直前の30年確率(%)断層の平均活動間隔
1995年兵庫県南部地震
(M7.3)
六甲・淡路島断層帯主部淡路島西岸区間
「野島断層を含む区間」(兵庫県)
0.02〜8%約1700〜約3500年
1858年飛越地震
(M7.0−7.1)
跡津川断層帯
(岐阜県・富山県)
ほぼ0%〜13%約1700〜約3600年
1847年善光寺地震
(M7.4)
長野盆地西縁断層帯
(長野県)
ほぼ0%〜20%約800〜約2500年

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地震調査研究推進本部 地震調査委員会