1.2 地域別の特徴
ここでは、北日本地域、中日本地域、西日本地域に分けて、それぞれの地域の都道府県庁所在地(北海道は支庁所在地)の約1km四方の評価対象領域が、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性を示します。ここでは、3%以上を「高い」、0.1%以上3%未満を「やや高い」として、相対的な表現をしています。さらに、どのような地震がどの程度影響を及ぼしているのかを、地点毎に示します。これは今後30年以内に震度6弱以上となる可能性のある地震の相対的な影響度を棒グラフで示したものです。
1.2.1 北日本地域の特徴
北海道の太平洋側、宮城県の太平洋側、福島県の太平洋岸に確率の高い地域が見られるほか、山形盆地や秋田県の八郎潟でも確率の高い地域があります。また、内陸部や日本海側でも確率のやや高い地域が広がっています。
図1.2−1 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率
(北日本地域、平均ケース)
○印は都道府県庁および北海道支庁所在地を示す。
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図1.2−2 北日本地域の主要活断層帯の位置と海溝型地震の領域
赤線:主要活断層帯の断層モデル上端位置
青線:海溝型地震の領域
○印は都道府県庁および北海道支庁所在地
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札幌市(北海道)、札幌市(石狩支庁):やや高い。主要活断層帯の固有地震の影響度が最も高い。これは発生確率が高い石狩低地東縁断層帯によるものと考えられます。
函館市(渡島支庁):やや高い。三陸沖北部の固有地震および活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度が高くなっています。
江差町(檜山支庁)、倶知安町(後志支庁):やや高い。ともに活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度が高くなっています。江差町では日本海東縁部の震源断層を予め特定しにくい地震の影響度も相対的に高くなっています。
室蘭市(胆振支庁):活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度が高くなっています。
岩見沢市(空知支庁):やや高い。これは発生確率が高い石狩低地東縁断層帯によるものです。
旭川市(上川支庁):主要活断層帯の固有地震の影響度が高くなっています。また、活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度がこれに次いで高くなっています。
留萌市(留萌支庁):やや高い。主要活断層帯の固有地震の影響度が高くなっています。また、活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度がこれに次いで高くなっています。
稚内市(宗谷支庁):やや高い。主要活断層帯以外の活断層の影響度が高くなっています。
網走市(網走支庁):やや高い。沈み込んだ太平洋プレート内のやや深い地震、やや浅い地震の影響度が高くなっています。さらに主要活断層帯以外の活断層に発生する地震の影響も同程度あります。
浦河町(日高支庁):高い。海溝型地震で長期評価されている地震とそれ以外の地震とを合わせ、沈み込んだ太平洋プレート内の地震の影響度が最も高くなっています。三陸沖北部、十勝沖・根室沖のひとまわり小さい地震の影響も高くなっています。
帯広市(十勝支庁)、釧路市(釧路支庁)、根室市(根室支庁):高い。沈み込んだ太平洋プレート内の地震の影響度が高くなっています。また、釧路市と根室市では十勝沖・根室沖の地震の影響も高くなっています。
図1.2−3 今後30年以内に震度6弱以上の揺れをもたらす可能性のある地震の影響度(北海道)
市町名の下に記載している確率値は、各々の市役所もしくは役場周辺における、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示します。
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青森市(青森県):やや高い。主要活断層帯の固有地震の影響度が最も高くなっています。これは、近傍の青森湾西岸断層帯の地震の影響度が高いためと考えられます。また、三陸沖北部の地震の影響度も相対的に高くなっています。
盛岡市(岩手県):やや高い。この地域では三陸沖北部の地震に代表される海溝型地震の影響度が高くなっています。また、主要活断層帯以外の活断層の地震や、さらに活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度も相対的に高くなっています。
仙台市(宮城県):やや高い。ここは今後30年以内の地震発生確率が99%以上という宮城県沖の地震の震源域に近いため、その地震の影響度が非常に高くなっています。また、主要活断層帯では長町−利府線断層帯の地震の影響度が高いと考えられます。
秋田市(秋田県):やや高い。日本海東縁部の秋田県沖の地震の影響度が高くなっています。また、活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度も相対的に高くなっています。
山形市(山形県):やや高い。ここでは主要活断層帯で発生確率が高いグループに属している山形盆地断層帯の固有地震の影響度が圧倒的に高くなっています。
福島市(福島県):やや高い。宮城県沖の地震の影響度が最も高くなっています。また、主要活断層帯以外の活断層での地震の影響度も相対的に高くなっています。
図1.2−4 今後30年以内に震度6弱以上の揺れをもたらす可能性のある地震の影響度(東北地方)
市名の下に記載している確率値は、各々の市役所周辺における、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示します。
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