「リアルタイムによる地震情報の伝達の推進」
地震調査研究推進本部の総合基本施策(※1)において、当面推進すべき地震調査研究の一つに、「リアルタイムによる地震情報の伝達の推進」が掲げられており、その中で、「遠隔地で発生する地震による主要動をその到達前にとらえ、重要施設等における緊急な対応を可能とするリアルタイム地震防災システムの研究開発を進める。」と記述されています。
この研究開発として、防災科学技術研究所及び気象庁において「高度即時的地震情報伝達網実用化プロジェクト」(平成15年度〜平成17年度)が実施されました。このプロジェクトの中で研究開発されたシステムの情報は、気象庁の情報と統合され、「緊急地震速報」として平成19年10月1日から一般への提供が開始されています。
なお、平成21年4月に地震本部において策定された、新たな地震調査研究の方針を示す新総合基本施策(※2)では、推定震度の精度向上や予測技術の高度化を今後に向けた課題として取り上げ、その解決に向けた取り組みを開始しています。
(※1)総合基本施策
地震調査研究の推進について―地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策―(平成11年4月23日、地震調査研究推進本部)
第3章 当面推進すべき地震調査研究 2. リアルタイムによる地震情報の伝達の推進を参照
(※2)新総合基本施策
新たな地震調査研究の推進について―地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策―(平成21年4月21日、地震調査研究推進本部)
地震波の特徴を利用して、強い揺れが到達する前に地震が発生したことをお知らせする情報です。
地震波には伝わる速度の速いP波(初期微動)と、それよりも遅いS波(主要動)があります。そして、地震の揺れによる被害は、主にS波によりもたらされます。地震学や情報処理技術の発達により、地震発生直後に、震源に近いP波のデータのみから、震源・地震の規模(マグニチュード)を即時に解析できるようになりました。震源と地震の規模がわかると、ある地点での震度を推定することができます。
主な被害をもたらすS波が到達する前に事前対応を行うことで、地震による被害を防止・軽減することが期待されますが、震源に近い場所では、情報の提供がS波の到達に間に合わないことがあることなど、その特性に留意が必要です。
緊急地震速報や研究に関する詳しい情報は下記のホームページでご覧いただけます。
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