地震本部は、平成11年4月に「地震調査研究の推進について―地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策―」(以下、「総合基本施策」)を策定しました。平成21年4月には、総合基本施策の策定以後10年間の環境の変化や地震調査研究の進展を踏まえた「新たな地震調査研究の推進について−地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策−」(以下、「新総合基本施策」)を策定し、関係行政機関等は、この方針の下で地震調査研究を推進してきました。
しかしながら、東日本大震災において地震調査研究に関する多くの課題等があったことを踏まえ、地震本部は、地震調査研究が真に防災・減災対策に貢献することができるよう新総合基本施策を見直すこととしました。
新総合基本施策の見直しにおいては、地震調査研究推進本部政策委員会総合部会において、平成23年12月以降、7回にわたって会合を開催し、東日本大震災を踏まえた地震調査研究における課題等を抽出するとともに、関係省庁や研究機関における震災への対応や進捗状況、地方公共団体・民間企業の地震調査研究の活用状況、活用する上での課題等の検討を行い、今後の地震調査研究の在り方について審議を行いました。さらに、国民から広く意見募集を行い、これらの意見を踏まえた上で改訂を行った本施策は、今後の地震調査研究の基本となるとともに、地震本部の活動等の指針となるものであります。
我が国の地震防災・減災対策は、中央防災会議の定める防災基本計画に基づく方針の下に進められており、地震本部の担う地震に関する観測、基礎的・基盤的な調査研究の成果も、この防災対策の基礎となる有益かつ有効な科学的知見を提供するものでなければなりません。このため、今後とも、中央防災会議が担う災害予防対策、災害応急対策、災害復旧・復興対策等に地震本部の調査研究成果がより一層活用されるよう、両機関の連携を強化し、地震調査研究の成果の活用を促進する等により、総合的な防災・減災対策に貢献することを目指します。
なお、平成24年7月30日に地震本部として取りまとめられた本施策は、地震防災対策措置法に基づき、同年9月6日に中央防災会議の議を経て、正式に地震本部決定しました。
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