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南海トラフの巨大地震に関係して,例えば高知県室戸岬では地震の前には5〜7mm/年くらいの割合で沈降しており,地震のときには1〜2m隆起する。この室戸岬の室津港において,江戸時代に潮位を測った結果が日記に残されている[15]。この結果から,地震前と後での隆起量を求めることができる。 1946年の南海地震の際には,室津では1.15mの隆起が測定された[25]。これらの資料をもとに得られた室津港における地震時隆起量と地震発生間隔との関係を図3.2に示す。
図 3.2: 過去に南海道において繰り返し起きた地震の大きさ(室津港での隆起量)と発生間隔との関係(文献[15]の図より)
図3.2に基づき,パラメータとして以下の量を用いた。
前回の地震からの経過年数 Tは,52.0年である。活動間隔のばらつきの程度(式(2.22)の )は0.2及び0.3とした。
地震発生確率の試算結果をまとめると,表3.6のようになる。
表 3.6: 南海トラフにおける,発生間隔の分布関数として対数正規分布及び指数分布を用いたときの今後30年,50年,100年の地震発生確率