以下,簡単のために を単に と表す。 条件付き強度関数 から決まる点過程について, 区間 上のあらかじめ指定された配置 に n個の点が 生起するときの同時確率密度関数は,
で与えられる。したがって対数尤度関数は,
となる。
Tを現在の時刻とし,Sを調査された最も古い時期とする。期間 で 地震発生時刻のデータ が与えられているとする。 時刻 S以前の最後の地震がいつ起きたか全く情報がないとき, 更新過程の定常性を仮定すると,最初の発生点までの時刻における条件付き強度と それ以降の条件付き強度は形が異なり,以下のようになる。
これから厳密な対数尤度関数:
が得られる。ただし は点区間の長さの期待値である。
式(B.6)の第3項が付録B.1における
(近似)対数尤度に対応しているのが分かる。
地震発生のデータ数が十分ならば近似尤度でも有効であるが,
余りデータがないときには他の項が無視できなくなると考えられる。
なお本報告書の4つのモデルに関する式(B.6)の計算は
表2.1の結果を用いる。