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ここでは,更新過程のパラメータの誤差とそれに伴う地震発生確率への誤差の伝播について,簡単な検討を行う[41]。本報告書で扱った更新過程モデルのパラメータは2つなので,それを一般的に とする。対数尤度 のHessian(2階微分の行列)を
で与えられる。推定すべき確率が で与えられるとするとき,その分散は
となる。以下の図4.11〜4.14に, data set 南海Iを例にとったときの,今後30年における地震発生確率の誤差範囲を真値(グラフの実線)から (グラフの点線)の範囲として示した。これらの図において,確率の数値は真値(グラフの実線)の重みが最も高く,そこから上下に離れるほど小さくなる。