時間予測モデルが適用されると仮定した場合,適用されない場合に比べて 発生間隔のばらつきは小さくなると考えられる。これを考慮して, ともに値が得られている 牛伏寺断層並柳地点と大沢断層金沢地点を例にして, 今後の地震発生確率を求めた。 計算に使用した数値を表3.24に示す。
表: 計算に用いた,各断層の , V
及び の表。
大沢断層の Vは不明のため,茅野断層板室地点の値を引用
確率密度関数は対数正規分布を用い, 前回の地震から1200年が経過しているものとした。 発生間隔のばらつき は,平均値の1/2〜2倍程度を示す0.3 とそれよりも小さい(分布がより集中した)0.2及び0.1を用いた。 以上の条件で,今後30年,50年, 及び100年以内にそれぞれの区間で地震が発生する確率を求めた。 計算結果は表3.25のとおりである。
表 3.25: 時間予測モデルに従うことを考慮し,
分布をより集中させた場合の,各断層の今後30年,50年及び100年の地震発生確率。
数値の幅は活動間隔の設定の違いによる
表から,ばらつきが小さいと確率は大きくなるという傾向が読み取れるが,
対数正規分布についてのこの事実は,既に議論されている[36, 37]。