平成19年3月19日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会
強震動評価部会


2005年福岡県西方沖の地震の観測記録に基づく強震動評価手法の検証について(中間報告)


 地震調査委員会は、平成17年3月に「全国を概観した地震動予測地図」を取りまとめ、公表を実施した。現在、地震動予測地図の更なる利活用を目標として、改良を志向している段階にある。また、本委員会強震動評価部会は強震動評価手法としての「詳細法」の高度化を検討するとともに、これを用いた強震動の評価を実施し、ハイブリッド合成法に基づく「詳細法」の重要性・有意性を継続的に提言している。本部会では、「糸魚川−静岡構造線断層帯(北部、中部)の地震を想定した強震動評価」(地震調査委員会、2002)をはじめ、10の活断層帯と4つの海溝型の地震についての強震動評価をとりまとめ、公表してきた。さらに、これらの検討期間中に発生した被害地震である、「平成12年鳥取県西部地震」(M7.3)および「平成15年十勝沖地震」(M8.0)については、強震動の計算と観測記録との比較を行い、強震動評価を目的とする強震動予測手法の検証を行ってきた。
 平成17年(2005年)3月20日に発生した福岡県西方沖の地震(M7.0)において、活断層で発生する地震の強震動予測手法の妥当性を検証する上で有用である観測記録が数多く得られた。そこで、「震源断層を特定した地震の強震動予測手法(「レシピ」)」による強震動計算を実施し、観測記録との比較により強震動評価手法の検証を行ったので、これらの結果を報告する。なお、観測記録を十分に再現出来ていない観測点における評価結果に関しては、今後、地下構造モデルの改良も含めて再検討を行う予定である。


 断層破壊過程や地下構造の固有の性質を詳細にモデル化し、地震動の時刻歴波形を計算する地震動評価手法。
 地震調査委員会(2002):糸魚川−静岡構造線断層帯(北部、中部)の地震を想定した強震動評価(平成14年10月31日公表)
 強震動評価において、震源特性、地下構造モデル、強震動計算方法、予測結果の検証の手法や設定にあたっての考え方をまとめたものをここでは「レシピ」と呼ぶ。


本文と説明 (PDF 355KB)