地殻変動
地球の表面を構成する地殻には、さまざまな力が加わり、さまざまな変動が生じています。この変動を地表面の変形として捉えたものを地殻変動といいます。地殻変動にはさまざまなタイプがあり、地質学的な長期間に亘って山脈が隆起したり、平野が沈降したり、プレートが移動するようなものから、短時間に生じる地震時の変動など、さまざまな時間的・地域的スケールを持っています。
広域の地殻変動の検出は、従来から平面位置を求める測量(三角測量など)や高さを求める測量(水準測量)によって行われていました。また、海水面の高さを求めることにより海岸の隆起や沈降を長期的に観測することも行われています。このほか、地下のトンネルなどを利用して地面の伸び・縮みや傾きの変化の精密な観測も行われてきました。
1990年代以降は、効率的でほぼ連続的に実施できるGNSS観測などによっても広域の地殻変動が観測されています。さらに近年では、合成開口レーダーを用いた観測により、面的にも地殻変動が捉えられています。また、電波の届かない海底での地殻変動を調べるために、GNSS/音響結合方式による観測も行われています。