パソコン版のウェブサイトを表示中です。

スマートフォン版を表示する

  1. 地震・津波の提供情報
  2. コラム
  3. 九州地域の活断層の長期評価(第一版)

(広報誌「地震本部ニュース」平成25年(2013年)2月号)

 地震調査研究推進本部(以下、地震本部)は、平成25年2月1日に「九州地域の活断層の長期評価(第一版)」を公表しました。ここでは、その概要を紹介します。

 地震本部では、これまで、地震が発生した場合に社会的、経済的に大きな影響を与えると考えられる全国の陸域の110の活断層帯(マグニチュード(M)7.0以上=長さ20km以上に相当)(主要活断層帯)を対象として長期評価を行ってきました。しかし、近年、2004年の新潟県中越地震(M6.8)などM7.0未満の地震でも大きな被害が発生しており、また2008年の能登半島地震(M6.9)などのように沿岸海域の活断層の活動によっても大きな被害が生じています。
 こうした背景のもと、地震本部では、従来の陸域の主要活断層に加え、M7.0未満(M6.8以上)の地震を引き起こす可能性がある活断層や、沿岸海域の活断層についても評価の対象に含めることにしました。また、地域の地震危険度を正しく把握するため、個々の活断層ごとに評価するこれまでの手法を見直し、地域単位で複数の活断層を総合的に評価する「地域評価」を行うことにしました(表1)。今回、評価に必要なデータが充実している九州地域について、「地域評価」の第一弾として評価を行いました。

 今回の評価では、九州地域を、地質構造、地震活動、地殻変動や活断層の分布などをもとに、九州北部、中部、南部に区分し、各区域に分布する活断層を評価しました(図1)。
 今回の評価とこれまでの評価との違いを表1に簡単にまとめました。活断層の評価にあたっては、これまで評価してきた主要活断層帯に加え、M6.8以上の地震を起こす可能性のある活断層を評価の対象としました。また、陸域だけでなく、沿岸部の活断層も含めることとしました。地表での長さが短い活断層については、地質構造や重力異常分布など地球物理学的な情報も活用して地下の震源断層の位置・形状を検討し、評価しています。
 その結果、今回評価の対象となった活断層帯は、主要活断層帯の9断層帯から28断層帯へと大幅に増加しました。一方で、地下に伏在している活断層などを見落としている可能性もあるため、今回評価した活断層がない地域においても注意が必要です。

 今回の評価では、個々の活断層の長期評価結果を基に、各区域内の活断層で今後30年以内にM6.8以上の地震が起きる確率を算出しました(図2)。九州全体では、活断層による地震が今後30年以内に発生する確率は30%〜42%となりました。各区域別に見ると、九州中部では活動性の高い活断層が密に分布し、地震発生確率が18%〜27%と北部や南部と比べて高くなっています。ただし、北部や南部も確率は決して低くないため注意が必要です。また、今回評価した活断層以外にも、地下に伏在していて地表に痕跡のない断層を見落としている可能性もあるため、今回の評価結果には限界があることにご注意ください。

※九州地域の活断層帯の長期評価結果の詳細については、こちらをご覧ください


(広報誌「地震本部ニュース」平成25年(2013年)2月号)

このページの上部へ戻る

スマートフォン版を表示中です。

PC版のウェブサイトを表示する

パソコン版のウェブサイトを表示中です。

スマートフォン版を表示する