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  3. 「ぼうさいこくたい2023@横浜」で地震本部セッションを開催!

(広報誌「地震本部ニュース」令和5年(2023年)秋号)

 地震本部では、2023年9月17日(日)18日(月・祝)の2日間にわたって横浜国立大学にて開催された防災推進国民大会2023(ぼうさいこくたい2023)にセッション形式で出展しました。

 ぼうさいこくたいは国民の防災意識の向上、災害に関する知識や経験等の共有、防災に取り組む方々の連携構築を図ることを開催趣旨とする日本最大級の防災イベントで、今回は約400団体が出展しました。

 今年は関東地震から100年という節目の年であり、地震に関する世間の注目が例年になく高まっている状況にあります。また、今年のぼうさいこくたいのテーマも「次の100年への備え~過去に学び、次世代へつなぐ~」とされております。地震本部のセッションでは、そのテーマに沿って、約100年にわたる政府等の地震調査研究を振り返るとともに、成果を社会に活かすため、これからの政府の地震調査研究で何ができるのか、何が求められるのかを議論しました。

※ 主催:防災推進国民大会2023実行委員会(内閣府・防災推進協議会・防災推進国民会議)

 冒頭、郷家康徳 地震・防災研究課課長より、地震本部の概要の紹介と、主な成果の紹介があった後、松浦律子 歴史地震研究会会長、平田直 地震本部地震調査委員会委員長から話題提供いただきました。

 松浦先生からは、「知ってほしい~国の地震調査研究の歴史に学ぶ」と題して、特に1880年の横浜地震と日本地震学会の設立、1891年濃尾地震と震災予防調査会の設置、1923年関東地震と地震研究所設置といった観点を中心として、これまでの国の地震調査研究をレビューいただきました。

 平田先生からは、「知ってほしい~阪神・淡路大震災以後の政府の地震調査研究」として、阪神淡路大震災以後の地震本部の主な成果として、全国地震動予測地図の作成、稠密な観測網の整備と、それを用いたスロー地震の発見等、学術界への貢献と防災上の意義についてお話いただきました。

 セッション後半は、福和伸夫 地震本部政策委員会委員長をモデレータとして、地震本部の成果の受け手・情報発信者側の様々なセクターから5名のパネリストを招き、成果を社会に活かすため、これからの政府の地震調査研究で何ができるのか、何が求められるのかを議論しました。

● 高感度地震観測や海域の観測網の整備が進んだことにより、緊急地震速報が迅速化し、津波予測精度が向上した。
● 南海トラフ地震が発生した際や南海トラフ地震臨時情報発表時に、適切な防災行動をとって命を守っていただくため、防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクトの成果やN-netの整備に期待する。
● 今後は、観測網やデータ一元化の維持、海域観測網の充実に期待する。さらに、社会が望む「地震活動の見通し」等について、どう表現するかという視点も加えた調査研究・検討を進めていただきたい。

● 地震本部が収集したデータ等を建築設計や地震防災の観点で活用している。
● 地震本部のデータや評価は、公的なデータということになるため説得性が高い。
● 一方で、機関ごとにデータが散逸しがちで利用しにくい面があり、今後はAI等の技術を活用して利便性を向上させるといった調査研究を検討してみて欲しい。

● 多くの都道府県が被害想定のための地震の選定に地震本部の成果を参考にしている。
● かつて地震本部が交付金調査によって、都道府県が活断層調査等を行った際には、専門家との交流の中で職員の地震・防災に対するリテラシーが向上した。
● 今後の地震本部には、相対的な地震発生可能性の解明、基本的な地震発生メカニズムの解明に加えて、来年度新たに設置される火山調査研究推進本部との連携した情報提供を期待する。

● 地震本部の広報の基本目標となる「地震との共存」という考え方を意識し、地震本部の直近の成果を活かした被害軽減のためのリスクコミュニケーション、クライシスコミュニケーションの研究が今後必要になる。
● すでに地震本部の成果を活用している専門家、企業、自治体等と比較して、地域や学校教育の場にあまり活かされていない。データを可視化するなどして身近なところに落とし込み、我がこととしてとらえてもらうことが大切である。

● データとして地震本部のデータの魅力は十分である一方で、情報科学分野の専門家に、よりデータや成果を活用してもらうには、データに対する理解、データからどんな課題を解決したいか、という観点が大切である。
● 成果の普及の観点から、エデュテイメント(エデュケーション×エンターテインメント)としてコンテンツ化し、いろいろな方が正しく情報を理解し、いずれは防災情報として使えるところまで昇華させていくことを期待する。

 郷家課長より閉会挨拶を行い、盛況のうちに終了しました。当日は現地参加約100名、オンライン視聴約100名の方々にご参加いただきました。当日の様子については地震本部のホームページにて掲載予定ですので、ぜひご覧ください。

  

        

(広報誌「地震本部ニュース」令和5年(2023年)秋号)

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