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  1. 地震・津波の知識
  2. コラム
  3. 東北地方太平洋沖地震後の活断層の長期評価結果一覧について


 地震調査研究推進本部地震調査委員会では、平成7年に設置されて以降、全国に約2,000あると推定される活断層のうち、社会的・経済的に大きな影響があると考えられる全国の主要活断層帯について、既往資料や活断層調査をもとに、活断層の位置や形態、過去の
活動履歴および長期の地震発生確率など、地震の長期評価を順次行い、公表してきました。
 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震以降、観測された地殻変動のデータを用いて、全国の主要活断層帯への影響を評価し、6月9日および7月11 日に糸魚川ー静岡構造線断層帯の牛ご 伏ふく寺じ 断層を含む区間、立川断層帯、双葉断層、三浦半島断層群の4断層(図1)について「地震発生確率が高くなっている可能性がある」として公表しました。


 3 月11日14時46分頃に、三陸沖の深さ約25kmでマグニチュード9.0の地震が発生しました。今回の本震の規模は、これまでに日本で観測された最大の地震です。この地震により、宮城県栗原市で最大震度7を観測しました。
 国土地理院が実施しているGPS観測の結果によると、本震の発生に伴って、東北地方から関東地方の広い範囲で地殻変動が観測されており、牡鹿観測点(宮城県)では、東南東方向に約5.3mの水平移動、約1.2mの沈降が観測されています(図2)。
 さらに、地震発生後、余効変動と呼ばれる東向きの地殻変動が継続しており、7月27日現在、山田観測点(岩手県)で約56cm、銚子観測点(千葉県)で約34cmなどの地殻変動が観測されています(図3)。
 

 東日本の太平洋沖には、南北にわたって日本海溝が延びており、本州がのっている陸のプレートの下へ東側から太平洋プレートが沈み
込んでいます。GPS観測の結果によると、この沈み込みによって、東北地方太平洋沖地震の発生前までは、日本列島を西へ押しつける力が働いていました。しかし、3月11日の東北地方太平洋沖地震やそれ以後の余効変動によって、日本列島が東へ移動する方向に力が変化しています。
 このため、地殻変動によって全国にある主要活断層帯の各断層面にかかる力がどのように変化しているのかを推定しました。
 その結果、糸魚川−静岡構造線断層帯の牛伏寺断層を含む区間、立川断層帯、双葉断層、三浦半島断層群の4断層については、地震後に断層面を押しつける力が小さくなり、その結果、断層面にかかる摩擦力が弱くなるという影響を大きく受けており、地震前と比べると動きやすくなっている可能性があることが判明しました(図4)。しかし、地震発生確率がどの程度高くなったかは不明なため、地震調査委員会は、この4断層について、「地震発生確率が高くなっている可能性がある」として公表しました。
  

 日本は、世界の面積の1%にも満たないにも関わらず、世界の地震の約10%が発生する地震国です。体に感じない小さな地震も含めると、ほぼ毎日どこかで地震が発生しています。そのため、いつ地震が発生しても対応できるよう、地震発生確率が高くなった可能性のある4断層の近傍だけでなく、それ以外の地域も含め、日頃から、建築物の耐震化のほか、転倒防止金具等による家具の固定、家族間での避難経路や避難場所の確認・共有、水や食料、衣類といった避難用具の準備等、地震への備えに取り組むことが重要です。
 地震調査委員会では、今後も、東北地方太平洋沖地震の影響による地殻変動について継続的に把握し、その結果を関係府省や地元地方公共団体、国民等へ的確に伝えることにより、防災・減災対策に活かされるよう努めてまいりたいと考えています。

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