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  1. 地震・津波の知識
  2. コラム
  3. 地震センサー付き建物のネットワークの構築を(岡田恒夫)
地震センサー付き建物の
ネットワークの構築を

 大地震の際には、被害建物の破壊が余震で進行することにより生じる二次災害を防ぐために応急危険度判定が行われる。被災建物を使い続けてよいかどうかの判断にもなる。地震直後に、危険(赤色)、要注意(黄色)、調査済み(緑色)のポスターを建物に貼る仕組みである。1980年代に我が国で開発が始まり、今では世界に広まっている対策で、我が国では1995年阪神・淡路大震災を契機に全国的に広まった。
 地震直後に応急危険度判定士の資格を持った行政職員、民間建築士などが、被災した建物の傾き、ひび割れの程度などを調べて余震に対する危険度を素早く判定している姿をご覧になった方も多いと思う。チェックリスト方式のマニュアルが用意されているので実際の作業は比較的簡単であまり時間もかからない。
しかしながら、図面も、入力された地震動の大きさのデータもなく、目視の情報だけを頼りに被害を受けた建物の安全性を判定するのであるから容易なことではない。地震時に建物強度の何割くらいの力が入力したか、最大何センチくらい変形したか、変形限界を超えていなかったかなどを想像しながらの危険度あるいは安全度の判定は、いくらマニュアルが用意されているとは言え相当な経験が必要な作業である。
 こんな時、対象建物に強震計や変位計などのセンサーが付いていればもっと自信をもって迅速に判定できるのだがと、しばしば思う。強震計あるいは震度計のネットワークが充実したお陰で地面の揺れは地震直後に瞬時にテレビなどで発表される。
もどかしいのは自分が判定しようとしている建物の揺れがわからないことである。センサー付きの建物であれば応答加速度、変位などの記録を頼りに損傷の程度も定量的に知ることができるのだが、そのような建物はごくわずかである。全ての建物にセンサーを付けることは現実的でないにしても、各地の典型的な建物をセンサー付きにして全国のネットワークが出来ないものか。
 応急危険度判定で赤のポスターを張られないように事前に耐震化しておくことが一番であることは言うまでもないが、地震センサー付き建物の全国ネットワークが出来れば得られたデータはその建物の応急危険度判定のみならず、被災地の他の建物の判定に役に立つであろうし、広く耐震設計法や耐震診断法、耐震補強法の発展にも多いに役立つと思うのだが。

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