余震の確率の計算式には、余震活動の活発さを示す数値、余震の数の減り具合を示す数値などを入れなければなりません。これらの数値の中には、過去の本震・余震型の地震活動から求められた平均的な数値を暫定的に使用できるものがあります。一方で、その地震の余震を観測してからでないと得られないものがあります。それは余震の起き方が地震によって個性があるからです。精度の良い値を見つけ出すためには、発生した余震のデータを利用するため、本震発生から1日程度のデータの蓄積が必要です。
このため、地震発生直後には、本震の震源と規模程度しか分からないので、過去の似たような地震のケースを引用して、余震の情報に反映させます。その後、余震の観測データが蓄積され、解析が進むにつれて、余震の発生確率を計算し、その結果を活用して余震の情報の内容は更新されていきます。余震の情報に確率が盛り込まれて発表されるのは本震から約1日後になります。
表16 余震の予測作業の流れと作業主体