一つは「余震の数は本震直後に多く、時間とともに次第に少なくなっていく」という性質です。これは改良大森公式と呼ばれる式で表されます。もう一つは「規模が大きい地震の数は少なく、規模が小さい地震の数は多い」というものです。この性質はグーテンベルク・リヒターの法則といわれます。
この二つの性質を結びつけると、余震の発生の仕方は次のようになります。
「本震直後には余震の数は多く、その中に大きな規模の余震が混ざって発生しますが、日時が経過するに従って余震の数は減少、大きな規模の余震も少なくなり、次第に起きなくなります」
二つの式は地震学でよく知られている統計の式で、これらを組み合わせると余震の発生する確率を予測することができます。
これにより、「今後3日以内にマグニチュード(M)5以上の余震の起きる確率は30%です。1週間以内だと50%です」というように、ある大きさ以上の余震の発生する可能性を確率の形で予測できます。
また「M3以上の余震の発生回数は本震発生から1週間後には1日当たり約7回、1カ月後には1日当たり1回程度になるでしょう」というように、ある大きさ以上の余震の発生数も予測できます。
図15 1995年の兵庫県南部地震の余震の性質[データは気象庁による]
図は本震とその後の余震について、M3以上のものの発生数を表しています。
縦軸の発生数は対数目盛で1、10、100と増えています。このようにすると、普通の目盛では曲線を描くグラフが直線となり、余震の性質を調べるのに便利です。