平成8年4月10日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
山梨県東部でM5.8の被害地震があったほか、台湾の東方沖でM6.5、北 海道東方沖でM6.2の地震、鳥島近海でM6.7の深発地震があった。
(1)北海道地方
1994年10月の北海道東方沖地震の余震域で3月10日M6.2の余震 があった。松前沖の群発地震活動は今期間も継続している。
(2)東北地方
1994年12月28日の三陸はるか沖地震(M7.5)の余震域で、3月1 7日M4.6、28日M4.5の余震活動があったほかは、今期間、特に目立った 活動はなかった。
(3)関東・中部地方
3月6日に山梨県東部でM5.8の被害地震があった。17日岐阜県中部で M4.3の地震があった。なお、ほぼ同じ場所で昨年12月7日にもM4.6の地 震が発生している。
従来から山梨県東部・神奈川県西部地域では、深さ20km前後を震源とする 地震が多発しており、これらの地震はフィリピン海プレートと陸側のプレートと の境界付近の地震と考えられる。今回の地震は、従来からの活動域内の西縁で発 生している。また、M6クラスを含む活動が過去にも観測されており、最近では 、1970年代前半からM5を越える地震が5回あり、そのうち、 1983年 8月8日にはM6.0の地震があった。今回の活動はこれら一連の活動の一つで あると考えられる。なお、周辺地域の地震活動は、今回の活動前後で特に変化は 見られなかった。
(4)近畿・中国・四国地方
今期間、特に目立った活動はなかった。
(5)九州・沖縄地方
台湾の東方沖でM6.5の地震があった。1995年10月に活動のあった 奄美大島近海ではM4クラスの余震が数回観測されているが、通常の余震活動の 範囲である。
(補足)
1996年4月初旬の主な地震活動
付図