平成8年3月13日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
1 主な地震活動
択捉島沖及びトカラ列島小宝島付近の余震活動が一時活発化したほか、福 島県沖でM6.6、福井県嶺北地方でM5.0などの地震活動があった。
2 各地方別の地震活動
(1)北海道地方
択捉島沖の余震活動が一時活発化した。松前沖の群発地震活動はM4.2の地 震があったが、低下傾向が続いている。
(2)東北地方
2月17日福島県沖でM6.6の地震、同日青森県東部でM4.6の地震があっ た。1994年12月28日の三陸はるか沖地震の余震域では2月19日M5. 0の活動があった。
(3)関東・中部地方
2月7日福井県嶺北地方でM5.0の地震があった。
(4)近畿・中国・四国地方
2月12日京都府沖でM4.5、17日安芸灘でM4.1の地震があった。23 日山口県東部でM3.7を最大とするM3.5前後の地震が4個発生した。
(5)九州・沖縄地方 トカラ列島付近の余震活動が一時活発化した。
3月6日23時35分山梨県東部でM5.8、深さ20kmの地震があり、河
口湖で震度5を観測した。この地震の23分前にはM4.4の前震が発生してい
る。余震は7日まで多発したが、その後は1日当たり数回程度に収まってきてい
る。最大余震は現在までのところ、M3.4であった。
従来から山梨県東部・神奈川県西部地域では、深さ20km前後を震源とする
地震が多発しており、M6クラスを含む活動が過去にも観測されている。最近で
は、1970年代前半からM5を超える地震が4回観測されており、1983年
8月8日にはM6.0の地震があった。今回の地震は従来からの活動域の西縁で
発生している。山梨県東部・神奈川県西部地域で過去起こっている地震はフィリ
ピン海プレートと陸側のプレートとの境界付近の地震と考えられ、今回の地震も
その1つであると考えられる。
付図
1 1996年2月 全国M≧5の地震活動
2 北海道地方の地震活動
3 北海道東方沖から択捉島沖にかけての活動(1995年12月から1996年2月)
4 松前沖の群発地震活動
5 松前周辺のGPS基線長変化
6 東北地方の地震活動
7 2月17日福島県沖の地震活動
8 関東・中部地方の地震活動
9 掛川・御前崎周辺のGPS観測点配置
10 掛川・御前崎周辺のGPS基線長変化及び比高変化
11 掛川・御前崎の水準測量経年変化
12 3月6日山梨県東部の余震活動
13 過去の山梨県東部の地震活動
14 最近5年間の山梨県東部の地震活動
15 近畿・中国・四国地方の地震活動
16 九州地方の地震活動
17 沖縄地方の地震活動
18 1995年10月喜界島近海の余震再決定