平成8年12月 11日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会
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11月20日に房総半島南東沖でM6.0の地震があったほかは、目立った地震活動はなかった。
(1)北海道地方
1994年10月の北海道東方沖地震(M8.1)の震源域で11月1日にM5.3の余震があったほかは特に目立った地震活動はなかった。
(2)東北地方
特に目立った地震活動はなかった。
(3)関東・中部地方
11月20日に房総半島南東沖でM6.0の地震、11月28日に房総半島南東沖約50kmでM5.2の地震があった。
○10月にM4クラスの活動があった新島・神津島周辺では、11月2日に式根島の南方沖でM4.5の地震があった。
○11月20日に房総半島南東沖約120kmでM6.0、深さ50kmの地震があった。発震機構は、南北方向の張力を示している。震源の位置からは沈み込んだ太平洋プレートの内部の地震と考えられる。
○11月28日に房総半島南東沖約50kmでM5.2、深さ70kmの地震があった。発震機構は、北東−南西張力の正断層型である。震源の位置からは沈み込んだ太平洋プレートの内部の地震と考えられる。
○11月2日に父島北東沖でM6.0の地震があった。この地震は、伊豆−小笠原開講の東側の太平洋プレート内部に位置し、発震機構は、北東−南西張力の正断層型である。
○東海地方では、10月5日の静岡中部地震(M4.4)とほぼ同じところで11月22日にM3.4の地震があったほかは、顕著な地震活動はなかった。掛川−御前崎(浜岡)間のGPS観測及び水準測量によれば、基線長、上下変動とも特段の変化は見られない。
(4)近畿・中国・四国地方
特に目立った地震活動はなかった。
(5)九州・沖縄地方
○10月18日の種子島近海の地震(M6.2)の震源域で11月11日にM4.7の余震があったが、余震活動は順調に低下している。
○10月19日の日向灘の地震(M6.6)の震源域では、11月23日にM4.8の余震があった。12月3日にこの震源域の西隣でM6.6の地震(補足参照)があり、10月の余震域で活動が一時活発化したものの、その後は順調に低下している。
補足(12月1日から10日までの主な地震活動)
○12月3日に日向灘でM6.6の地震があり、被害を伴った。この地震により小規模な津波が観測された。この地震は10月19にちの日向灘の地震の震源域の西に隣接している。発震機構は10月の地震と同じ北西−南東圧縮の低角逆断層型であり、このことと、震源の位置からプレート境界地震と考えられる。この地域で今回のような規模の地震が短期間に続けて発生した例としては、1913年4月にM6.7とM6.8の地震(間隔10日間)がある。GPS観測によれば、日向灘沿岸の基線長に1cm程度の変化が見られたが、10月の地震に比べて変化は小さめであった。