マグニチュード

 震度が地震による地面の揺れ(地震動)の強さを表すのに対し、マグニチュードは、地面の揺れを引き起こした原因(震源)そのものの規模を表す量である。そのため、1回の地震でも、震度は場所によって変わるが、マグニチュードは変わらない。また、テレビ、新聞などでは「地震の規模を表すマグニチュード」と表現されることがある。
 マグニチュードは震度のように直接観測できないので、各地の揺れの大きさなどから推定される。マグニチュードが大きいほど地震の規模が大きいことを示しており、マグニチュードが1大きくなると地震のエネルギーは約30倍大きくなるという関係がある。
 マグニチュードは、しばしばMというローマ字で表される。例えば、「「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」(M7.3)は、……」などと用いている。 また、一般にM8程度以上の地震を巨大地震、M7以上の地震を大地震と呼ぶことがあり、このような地震が発生すると何らかの被害が生じることが多い。また、それより小さい地震でも発生場所によっては被害が生じることがある。

《マグニチュードと震度の関係》
 マグニチュードと震度の関係は、電球の明るさ(ワット数)と机の上の明るさとの関係に似ている(図1)。同じ電球からの光でも、机が部屋のどこにあるかによって机の上の明るさが異なるように、1つの地震でも、地震が発生した場所(震源域)からの距離や方向によって震度が異なる。例えば、「平成7 年(1995年)兵庫県南部地震」(M7.3)の場合、震源域近くのいわゆる「震災の帯」では震度7 となったが、神戸海洋気象台や洲本測候所では震度6 、京都、彦根、豊岡では震度5 となり、震源域から離れるにしたがって震度は小さくなった。震源域から遠く離れた東京では、さらに震度は小さくなり、震度1であった。

図1:マグニチュードと震度の関係は、電球の明るさ(ワット数)と机の上の明るさとの関係に似ている。

 また、電球や机の位置が変わらない場合でも、電球の明るさ(ワット数)によって机の上の明るさが異
なるように、同じ場所で発生した地震でもその規模(マグニチュード)によって、震度が異なる。
 一般に、マグニチュードが大きいほど、かつ、地震の発生場所(震源域)に近いほど、震度は大きくなる。しかし、マグニチュードが大きくても震源域から離れていれば震度は小さい。なお、震度は、地震が発生した深さ、断層のずれ方、地震波の伝わり方、地盤の状況などにも関係するので、震源域から離れるにしたがって一様に減衰するものではない。


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