平成17年7月19日 |
中央構造線断層帯(金剛山地東縁−和泉山脈南縁)の地震を想定した強震動評価について
地震調査研究推進本部は、「地震調査研究の推進について−地震に関する観測、測量、調査および研究の推進についての総合的かつ基本的な施策−」(平成11年4月23日)において、「全国を概観した地震動予測地図」の作成を当面推進すべき地震調査研究の主要な課題とし、このため、強震動予測手法の高度化を推進することを項目の一つとして挙げた。
これを受け、地震調査委員会は、強震動評価部会を設け、同部会を中心に「全国を概観した地震動予測地図」の作成を念頭におきつつ、強震動の予測手法として「詳細法」1について検討するとともに、それを用いた強震動の評価を行ってきた。その成果は「全国を概観した地震動予測地図」報告書2において「震源断層を特定した地震動予測地図」として公表したところである。本委員会としては、引き続き強震動予測手法の高度化に向けた検討を行うこととして、今回、これまでの手法を基に中央構造線断層帯(金剛山地東縁−和泉山脈南縁)の地震を想定した強震動評価を取りまとめたので報告する。
今回行った「詳細法」による工学的基盤までの強震動評価は、現在までに得られている最新の知見を総合し、最適な手法を用いて行ったものであるが、浅層地盤の影響評価については利用できる地盤情報データが限られていることから簡便な手法を用いた。また、地震動の計算に用いる地下構造モデルや微視的震源パラメータの精度良い推定には限界があることから、評価結果である地震動の数値は誤差を含んでいる。したがって、個別地域の防災対策の検討を行うにあたっては、この点に留意するとともに、詳細な浅層地盤データに基づいてその影響を別途考慮する必要がある。
評価文 (pdf 39KB)
説明文 (pdf 458KB)
付録 震源断層を特定した地震の強震動予測手法(「レシピ」) (pdf 572KB)