平成20年7月11日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
6月14日に岩手県内陸南部の深さ約10kmでマグニチュード(M)7.2の地震*が発生した。この地震により岩手県と宮城県で最大震度6強を観測し、死者13名、行方不明10名、負傷者約450名などの被害を生じた。 補足説明へ
*:この地震に対し、気象庁は「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」と命名した。
○ 6月26日に浦河沖の深さ約55kmでM5.4の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ
○ (平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震およびその余震活動については別項を参照) 補足説明へ
○ 6月13日に長野県南部の深さ約15kmでM4.7の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内の浅い場所で発生した地震である。
○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 6月1日にフィリピン北部〔フィリピン付近〕でM6.2の地震が発生した。
注:〔 〕内は気象庁が情報発表に用いた震央地域名である。
○ 7月5日に茨城県沖の深さ約50kmでM5.2の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸をもつ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 7月8日に沖永良部島付近〔沖縄本島近海〕でM6.1の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近で発生した地震である。
注:〔 〕内は気象庁が情報発表に用いた震央地域名である。
平成20年7月11日
地震調査委員会
2008年6月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ127回(5月は129回)および10回(5月は31回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は2回で、2008年は6月までに9回発生している。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2007年6月以降2008年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 新潟県中越沖地震 | 2007年7月16日M6.8(深さ約10km) |
− サハリン西方沖 | 2007年8月2日M6.4 |
− 九十九里浜付近 | 2007年8月16日M5.3,18日M4.8などの地震活動 |
− ペルー沿岸 | 2007年8月16日M8.0 |
− 神奈川県西部 | 2007年10月1日M4.9(深さ約15km) |
− 石川県能登地方 | 2008年1月26日M4.8(深さ約10km) |
− 茨城県沖 | 2008年5月8日M7.0 |
北海道地方では特に補足する事項はない。
東北地方では特に補足する事項はない。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、6月30日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成20年6月30日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
全般的には顕著な地震活動はありません。静岡県中部では、プレート内で通常より活動レベルが低く、地殻内は活発な状態になっていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
東海地域及びその周辺の地殻変動には注目すべき特別な変化は観測されていません。」
近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。