平成16年11月10日 |
2004年10月の地震活動の評価
○ 10月23日に新潟県中越地方の深さ約10kmでマグニチュード(M)6.8の地震*が発生し、新潟県で最大震度7を観測した。また、この地震に伴う余震活動では、23日のM6.5を最大にM5.0以上の地震が19回(うちM6.0以上は4回)発生し、最大震度6強を2回、最大震度6弱を2回、最大震度5強を6回、最大震度5弱を4回観測した。これらの地震活動により、死傷者が出るなどの被害を生じた。
*: 今回の地震に対し、気象庁は「平成16年(2004年)新潟県中越地震」と命名した。
○ 10月6日に茨城県南部の深さ約65kmでM5.7の地震が発生した。この地震により最大震度5弱を観測し、被害が発生した。
○ 10月15日に与那国島近海でM6.6の地震が発生し、最大震度5弱を観測した。 補足説明へ
○ 10月8日に十勝支庁南部の深さ約50kmでM5.1の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ
○ 10月1日に福島県浜通り地方の深さ約75kmでM4.2の地震が発生した。 補足説明へ
○ (10月23日に発生した新潟県中越地震およびその余震活動については別項を参照)
○ 10月7日に鹿島灘の深さ約60kmでM4.4の地震が発生した。
○ 10月6日に茨城県南部の深さ約65kmでM5.7の地震が発生した。この地震により最大震度5弱を観測し、被害が発生した。発震機構は、東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震である。余震活動は低調であった。
○ 10月17日に茨城県沖の深さ約50kmでM5.7の地震が発生した。また、この約1時間半前には、ほぼ同じ場所でM5.5の地震が発生した。発震機構はいずれも西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートの沈み込みに伴う地震である。
○ 10月5日に福井県嶺北地方の深さ約10kmでM4.8の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型であった。余震活動は6日までに収まった。
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○ 10月27日に紀伊水道の深さ約40kmでM4.4の地震が発生した。 補足説明へ
○ 10月15日に与那国島近海の深さ約80kmでM6.6の地震が発生し、最大震度5弱を観測した。発震機構はプレートの沈み込む方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部の地震と考えられる。 補足説明へ
○ 11月4日に福岡県筑後地方の深さ約15kmでM4.2の地震が発生した。
○ 11月4日に国後島付近の深さ約60kmでM5.8の地震が発生した。発震機構は北北西−南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。
○ 11月5日に岩手県沖の深さ約50kmでM4.0の地震が発生した。
○ 11月7日にオホーツク海南部の深さ約510kmでM6.0の深発地震が発生した。
○ 11月9日に東海道沖でM5.7の地震が発生した。発震機構は南北方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレート内部の地震と考えられる。
○ 11月9日に台湾付近でM6.4の地震が発生した。
平成16年11月10日 |
地震調査委員会 |
2004年10月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ165回(9月は159回)および29回(9月は24回)であった。また、M6.0以上の地震は6回で、2004年は10月までに14回発生している。なお、上記の月回数のうち、10月23日の新潟県中越地震とその余震活動によるものは、M4.0以上、M5.0以上、M6.0以上のそれぞれについて、87回、18回、および5回であった(9月については、紀伊半島南東沖の地震活動によるものは、M4.0以上、M5.0以上、M6.0以上のそれぞれについて、80回、11回、および4回であった)。
(参考)1971−2000年の30年間の標準的な回数:
M4.0以上の月回数46回、M5.0以上の月回数8回、M6.0以上の月回数1.3回、年回数約16回
2003年10月以降2004年9月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−福島県沖 |
2003年10月31日M6.8(深さ約30km) | |
−房総半島南東沖(プレートの三重会合点付近) | ||
2004年5月30日M6.7 | ||
−岩手県沖 |
2004年8月10日M5.8(深さ約50km) | |
−紀伊半島南東沖(東海道沖) | ||
2004年9月 5日M7.4 |
−平成15年(2003年)十勝沖地震の余震活動は、引き続き減衰傾向である。GPS観測結果によると、本震発生後に観測された余効変動はごくわずかながら継続している。
東北地方では、特に補足する事項はない。
−9月5日に発生した紀伊半島南東沖の地震(M7.4)の余震活動は、引き続き減衰してきており、活動域にも特段の変化はみられない。
−9月5日の紀伊半島南東沖の地震に伴い、東海地域のGPS観測結果には、主として地震に伴うステップ状の変動が広範囲に観測されたが、地殻変動の傾向に地震の前後で顕著な変化は見られない。
(なお、これは、11月1日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成16年11月1日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
9月5日に東海道沖(紀伊半島南東沖)で発生したM7.4の地震後に東海地域で微小地震活動が若干活発化しましたが短期間でおさまりました。全般的に顕著な活動はなく、浜名湖直下で通常より活動レベルの低い状態が継続しています。
東海道沖(紀伊半島南東沖)の地震に伴い東海地域でも地殻変動が広範囲に観測されましたが、主として、地震に伴うステップ状の変動と思われます。地殻変動の傾向に地震の前後で顕著な変化は見られません。 」
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
−10月1日から奄美大島西方沖(奄美大島近海)の浅いところで地震活動が始まり、10月中旬にはほぼ収まった。最大の地震は3日と6日に発生したM5.3で、発震機構は北北西−南南東方向に張力軸をもつ横ずれ断層型であった。
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