平成13年7月11日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
2001年6月の地震活動の評価
目立った活動はなかった。 補足説明へ
6月21日に、日高支庁中部の深さ約35kmで、マグニチュード(M)4.4の地震が発生した。発震機構は北東−南西方向に圧力軸を持つ型であった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 6月25日に、東京都・神奈川県境付近(神奈川県東部)の深さ約30kmで、M4.0の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸をもつ逆断層型であり、地殻内の地震と考えられる。
○ 三宅島付近から新島・神津島付近にかけての海域では、6月3日に、新島・神津島近海(神津島北端部)の深さ約10kmで、M4.6の地震があり、神津島北部を中心に一時地震活動が活発化した。一方、周辺のGPS観測によれば、最近の地殻変動は、まだ完全な停止まではいたっていないものの、変化傾向は一定であり、今回の活動に伴う新たな変化は見出されていない。
○ 5月31日から6月上旬にかけて活発化した静岡県中部の地震活動は、その後、6月下旬には収まっている。また、現在まで、周辺の地域で特段異常な地殻変動は観測されていない。
静岡県中部の、沈み込むフィリピン海プレート内の地震活動は、5月31日の地震の発生により地震活動の一時的な活発化が認められたが、その後減少し、ほぼ平常の状態に戻った。
一方、駿河湾及びその周辺の地殻内の地震活動はやや活動レベルの低い状態が続いていたが、最近は回復する傾向も認められる。また、東海地方のGPS観測結果には、従来の変化傾向から変わるものは見られていない。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
6月14日に、台湾付近で、M6.2の浅い地震が発生した。
補足
6月29日から、東京都の青ヶ島の南方沖約30〜60kmで、M3.0を超える地震を含む活動が始まった。地震活動は、7月4日夜から7月5日にかけてM5.0を超える地震が4回発生するなど一時活発化したが、その後収まっている。震源の深さはいずれも浅く、M5.0を超える地震の発震機構はいずれも東西方向に張力軸をもつ正断層型であった。この周辺では、1997年10月以降で見ると、M3クラスを含む地震活動が、年に1回程度発生してきている。
平成13年7月11日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は64回(5月は56回、2000年末までの30年間の月平均は約46回。)観測された。この内、M5.0以上の地震の発生は9回(5月は2回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2000年の間で、年に平均16回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。2001年は1月〜6月までに、6回発生している。
2000年6月以降2001年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−千葉県北東部 | 2000年6月3日M6.1(深さ約50km) | |
−石川県西方沖 | 2000年6月7日M6.1(深さ20km以浅) | |
−熊本県熊本地方 | 2000年6月8日M4.8(深さ約10km) | |
−三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地域 | ||
2000年6月末から同年9月までマグマ活動に関連する活発な地震活動が継続。7月1日M6.4(深さ約10km)及び7月30日M6.5(深さ約10km)。 | ||
−茨城県沖 | 2000年7月21日M6.4(深さ約50km) | |
−鳥取県西部「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」 | ||
2000年10月6日M7.3(深さ約10km) | ||
−西表島付近 | 2000年11月14日M4.4 (深さ約10km) | |
−新潟県中越地方 | 2001年1月2日M4.4(深さ約10km) | |
−新潟県中越地方 | (1月2日の地震から南南東に40kmのところ) | |
2001年1月4日M5.1(深さ約10km) | ||
−兵庫県北部 | 2001年1月12日M5.4(深さ約10km) | |
−新島・神津島付近 | 2001年2月13日M3.9(深さ約10km) | |
−安芸灘「平成13年(2001年)芸予地震」 | ||
2001年3月24日M6.7(深さ約50km) | ||
−静岡県中部 | 2001年4月3日M5.1(深さ約35km) |
「6月21日に、日高支庁中部の深さ約35kmで、M4.4の地震が発生した。・・・・」:
この地震の前(6月21日)にM4.0前後の地震が2回あった。
北海道地方ではその他、次の活動があった。
− 余市岳付近で、4月から最大M2.6(6月21日)を含む微小地震の活動が続いている。
東北地方では、特に補足する事項はない。
「・・・・
静岡県中部の、沈み込むフィリピン海プレート内の地震活動は、5月31日の地震の発生により地震活動の一時的な活発化が認められたが、その後減少し、ほぼ平常の状態に戻った。
一方、駿河湾及びその周辺の地殻内の地震活動はやや活動レベルの低い状態が続いていたが、最近は回復する傾向も認められる。また、東海地方のGPS観測結果には、従来の変化傾向から変わるものは見られていない。」:
静岡県中部のフィリピン海プレート内の地震(M1.5以上)の発生頻度が、1999年8月以降、それより前の平均(30日当り6回程度)以上となることが連続することなく三度あったものの、全体としては平均より少ない状態が続いていた。しかし、2000年10月15日からは30日当り9回、10回、7回と平均を超えた状態が連続し、その後、5回、10回、10回、9回と推移している。最新の区間(2001年5月13日から6月11日)は9回であった。
(なお、本評価結果は、6月25日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成13年6月25日気象庁地震火山部)
「 先月31日から今月上旬にかけて、静岡県中部のスラブ内で地震活動が活発化し6月1日のM4.8の地震をはじめM4以上の地震4回を観測しました。この活動は4月3日の静岡県中部の地震(M5.1)の余震域の南端で起こり、4月3日からの一連の地震活動と考えられます。その後地震活動は減衰し、現在は平常の状態に戻っています。
駿河湾及びその西岸域の地殻内の地震活動については、やや活動の低い状態が継続していましたが、最近は回復する傾向も認められます。
また東海地域の地殻変動には注目すべき特別な変化は観測されていません。」
関東・中部地方ではその他、次の活動があった。
− 6月5日から7日頃にかけて、栃木県北部(日光白根山付近)でM3.1を最大とする地震活動があったが、6月後半にはほぼ収まった。この場所は、3月31日に、栃木・群馬県境で発生したM4.9の地震の南東約4kmに位置している。
− 6月10日に長野県西部でM3.4の地震。この付近は、1984年長野県西部地震の余震域内にあたる。
− 6月下旬に箱根付近でM2.2の地震。
近畿・中国・四国地方では、次のような地震活動があった。
− 和歌山・奈良県境付近の深さ10〜15kmで、5月29日から微小地震の活動。6月下旬になってから、北に2〜3km離れたところでも新たに微小地震の活動。これまでの最大地震は5月29日のM3.6。
− 2000年 10月6日に発生した「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」の余震活動は減衰している。
− 3月24日に発生した「平成13年(2001年)芸予地震」の余震活動は減衰している。
− 1月12日にM5.4の地震が発生した兵庫県北部で、6月27日〜29日に一時的に微小地震の活動が活発化。
− 6月13日に豊後水道の深さ約40kmで、M4.1の地震。
九州・沖縄地方では、次の活動があった。
− 6月7日から6月下旬にかけて、長崎県南西部でM3.5を最大とする地震活動。
− 6月13日に、沖縄本島近海で、M4.5の地震。
− 6月13日に、与那国島と台湾の中間付近でM5.5のやや深い地震。
− 6月14日に、与那国島近海で、M5.2の地震。
− 6月17日に、石垣島近海の深さ約140kmでM5.0のやや深発地震。この付近では、2000年2月25日に、M5.2の地震が発生している。
ア 前月の「2001年5月の地震活動の評価についての補足説明」において以下の2箇所に誤りがありましたので訂正します。
6行目〜7行目
誤)・・・この内、M5.0以上の地震の発生は10回(3月は6回)発生・・・
正)・・・この内、M5.0以上の地震の発生は2回(4月は10回)発生・・・
17行目
誤)・・・及び7月30日M6.5*)(深さ約10km)
正)・・・及び7月30日M6.5(深さ約10km)
イ 前月公表した「有馬−高槻断層帯の評価」(平成13年6月13日付、地震調査研究推進本部地震調査委員会)の表1の記述(数値)に誤りがありましたので訂正します。
4ページの表1
「1.断層帯の位置・形態 (1)断層帯の位置・形状等」の断層帯の位置(東端)の数値(緯度)。
誤)・・・北緯34°57’
正)・・・北緯34°54′
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