防災教育支援推進ポータル
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被災体験を生かした防災教育とジオパーク活用事業

 財団法人雲仙岳災害記念財団、島原市、研究機関、市教育関係者からなる防災教育推進委員会を組織し、事業の推進方法を検討し、そのプランに基づき、各機関が連携を取りつつ課題に取り組む。推進にあたっては教育関係者、児童生徒、地域住民を幅広く対象とするよう留意するほか、現在島原市で取り組んでいる「ジオパーク」(ユネスコが支援する自然公園の一種)における思想(地質遺産と防災活動を密接に考える)を採り入れたものとし、新しい防災教育推進体制を構築する。

 島原市は、現在取り組んでいる「島原半島ジオパーク」の活動の一環として、火山学習及び防災学習を強力に推進しようとする状況にある。「いのりの日」の活動等、従来からの活動を継続して行うとともに、 (1)新たな「教師と児童生徒がともに学べる副読本」を作成し、研修カリキュラムでの活用やジオパークパンフレット等応用多方面での活用を図る。 (2)九州大学を中心にまとめた教職員等を対象とした研修カリキュラムを実施して防災教育に関するリテラシーを高め、教職員研修などにおいて実施することにより定着を目指す。 (3)子ども向けの「わたしの校区のジオサイト事業」プログラムにより地域の地質資源及び防災と復興に関する理解を深めるとともに「わたしの校区のジオサイト事業」を情報発信していく。
●各テーマと成果目標
1.防災科学技術教育関連教材等の作成
21年度事業として、「雲仙・普賢岳噴火災害の教訓と伝承」をテーマにした副読本「雲仙火山とわたしたち」を作成した。22年度はさらに雲仙岳災害記念館を活用した教育プログラムでも活用できるようにさらに充実した内容にする。
2.学校の教職員等を対象とした研修カリキュラムの実施
21年度事業としては、「雲仙・普賢岳噴火災害の教訓と伝承」を本事業及び島原半島ジオパーク推進事業の共通キーワードととらえ、教職員の初任者研修における学習会や一般を対象とした防災講演会を開催した。22年度は島原半島ジオパークの地質遺産を講師とともに実際にめぐる野外巡検を開催するなど体験要素と雲仙岳災害記念館の利用を盛り込み、高度な知識の習得が可能なように工夫し実施する。特に、教職員の対象は学習会だけでなく、野外実習も取り入れた初任者研修及び教職員の教科研修会などにも拡大し実施する。
3.防実践的な防災教育プログラム等の開発・実施
『ジオサイト』とは、ジパークの制度で使われる用語で、おおむね「地質遺産」(ジオ=Geological地質学的なサイト=場所)の意味である。
地域の小中学校を対象に、校区(通学地域)内でかつ学校から2km以内にある地域資源を掘り起こし、「わたしの校区のジオサイトとして教材化する。地質資源の成り立ちや性質を理解し、それらが引き起2校をモデル校として実施したが、22年度はさらに増やして実施し、全校での継続的な取り組みに向けプログラム等の開発を行う。