防災教育支援推進ポータル
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火山災害に対する減災社会の形成に向けた防災教育による地域の担い手づくり事業

 三宅島は活発な火山活動で知られ、20世紀の4回の噴火後、2000年噴火により全島避難を余儀なくされた。2005年の帰島後も火山ガスの噴出は続き、三宅島における火山防災活動の推進は喫緊の課題である。高校等での防災教育が行われているが、このような活動は島全体では広まっておらず、三宅島全体への防災教育の浸透は十分とは言えない状況にあった。このため、火山防災を学習する上で絶好の条件を持つ三宅島で、火山という「生」の火山素材を活かした『フィールドガイドブック』を作成し、島の主要箇所に配布することで、多様な場所で火山防災教育を受けられる仕組みを構築した。また島の重要な防災の担い手である高校生を対象に、研修カリキュラムおよび教育プログラムを作成した。その結果、将来の防災教育の『担い手』の育成や、防災に興味の無い人々に対しても防災教育の必要性等を広く認知できるよう本事業を展開することができた。
 平成20年度から平成21年度にかけ、下記に示したようにフィールドガイドブックの作成・配布および活用方法の検討、三宅高校をモデル校とした教員向け研修カリキュラムの開発・試行授業の実施および学生向け学習プログラムの開発・試行授業を実施した。
1.防災科学技術教育関連教材等の作成
三宅島の火山防災教育で継続的に活用できる、楽しみながら学べる教育素材、三宅島フィールドガイドを作成した。完成したフィールドガイドは活用の場を検討した結果、三宅小・中・高の教育現場だけでなく、住民の目にもふれるよう、三宅村立図書館、村役場にも配布した。また、観光客の多い三宅島の特徴を考慮し、観光協会、民宿にも配布した。
2.学校の教職員等を対象とした研修カリキュラムの開発・実施
 三宅高校をモデル校として、研修カリキュラムを作成した。研修カリキュラムの中身は、専門家による座学と関係機関も参加する野外観察会となった。研修カリキュラムには、研修用野外観察案内資料を添付した。
3.実践的な防災教育プログラム等の開発・実施
 三宅高校をモデル校として、学習プログラムを作成した。学習プログラムの中身は、高校生を対象とした座学と野外授業に加え、小学校等と連携して、高校生による小学生等への防災授業となった。