三陸沖北部から房総沖の海溝寄り
三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域については、過去にM8以上の地震が幾つか知られています。そのうち1933年の三陸沖の地震はプレート内で発生した正断層型の地震です。
日本海溝付近のプレート間で発生したM8クラスの地震は17世紀以降では、1611年の三陸沖、1677年11月の房総沖、明治三陸地震と称される1896年の三陸沖(中部海溝寄り)が知られており、津波等により大きな被害をもたらしました。さらに、2011年3月の東北地方太平洋沖地震ではこの領域は震源域の中でも特に大きくすべりました。三陸沖北部から房総沖の領域全体ではM8以上の地震が約400年に4回発生しているとすると、103年に1回程度地震が発生したと考えられます。これらの地震は、同じ場所で繰り返し発生しているわけではないため、繰り返し発生する地震としては扱っていません。
過去の三陸沖北部から房総沖にかけてのプレート内正断層型地震で、津波等により大きな被害をもたらしたものは、三陸沖で1933年に発生した昭和三陸地震が唯一知られているだけです。したがって、過去400年間に1933年の地震が1回のみ発生したことから、このような地震は400年以上の間隔を持つと推定されます。一方、世界の沈み込み帯で発生する正断層型地震の総モーメントの推定から、三陸沖北部〜房総沖全体では750年に1回程度発生していると推定されます。これらから三陸沖北部〜房総沖全体ではこのような地震は400〜750年の間隔を持って発生したと考えられます。プレート内正断層型地震については、1回しか知られていないので、繰り返し発生する地震としては扱っていません。
なお、房総沖で1953年に発生した地震と三陸沖の日本海溝の東側で2011年3月11日15時25分に発生したM7.5の地震は、そのメカニズムからプレート内の正断層型の地震と考えられます。また、1909年の房総沖の地震についても1953年と同じようなタイプの地震と考えられています。しかし、いずれも大きな被害は無く、1933年の地震に比べ一回り小さな地震であると考えられることから、これらの地震については、評価対象とはしていません。
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≪プレート間地震(津波地震)≫
地震の規模 : Mt8.6−Mt9.0前後 (Mtは津波の高さから求める地震の規模)
地震発生確率: 30年以内に、30%程度 (特定海域で7%程度) (地震発生確率値の留意点)
平均発生間隔: 103年 (特定海域で412年)
≪プレート内地震(正断層型)≫
地震の規模 : M8.2前後/Mt8.3前後
地震発生確率: 30年以内に、4%〜7% (特定海域で1%〜2%) (地震発生確率値の留意点)
平均発生間隔: 400年〜750年 (特定海域で1600年〜3000年)
詳しい内容を知りたい方は、「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価(第二版)」をご覧下さい。
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