平成23年3月11日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の評価

○ 3月11日14時46分頃に三陸沖の深さ約25kmでマグニチュード(M)8.8(暫定)の地震が発生した。この地震により宮城県で最大震度7を観測した。また、相馬で7.3m以上、大洗で4.2m以上、釜石で4.1m以上などの高い津波を北海道地方、東北地方、関東地方の太平洋沿岸で観測した。

○ 発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 3月11日18時までの最大の余震は11日15時08分に発生したM7.5(暫定)の地震で、岩手県から茨城県にかけての太平洋沖でM7.0以上の地震が3回発生している。

○ GPS観測の結果によると、本震の発生に伴って、河北観測点(宮城県)が約4m東南東に移動するなどの地殻変動が観測されている。

○ 今回の本震の規模はM8.8とこれまでに日本国内で観測された最大の地震である。
今後も規模の大きな余震が発生する恐れがある。

○ 今回の地震の震源域は、岩手県沖から茨城県沖までの広範囲にわたっていると考えられる。地震調査委員会では、宮城県沖・その東の三陸沖南部海溝寄りから南の茨城県沖まで個別の領域については地震動や津波について評価していたが、これらすべての領域が連動して発生する地震については想定外であった。


*:今回の地震に対し、気象庁は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名した。