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4.当面実施する広報
以上のような考え方に基づき、推進本部は以下のような広報を実施する。 (1)地震についての基礎知識の普及 1)広報する事項 〇地震についての基礎知識 現在の地震調査研究でどこまで地震の解明が進んでいるか等、地震についての基礎知識を国民に普及し、地震防災関係機関等に周知させる。
〇地震活動等の現状評価 地震調査委員会が毎月開催する定例会において行う、全国の地震活動及び地殻変動の現状評価を広報する。 |
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(2)長期的な地震発生の可能性の評価についての広報
1)広報する事項 〇長期的な地震発生の可能性の評価 活断層調査等に基づき地震調査委員会が行う長期的な地震発生の可能性の評価を広報する。
〇地域毎の地震活動の特徴 地震調査委員会がとりまとめる都道府県単位の地震活動の特徴を広報する。 2)関連事項 〇地震発生の可能性の評価等の情報について 地震調査研究においては、地震発生の可能性の評価等の情報について、例えば観測結果について複数の解釈が公に発表され検討される等、自由かつオープンに研究が行われている。 他方、地震発生の可能性の評価等についての情報は、時として社会に及ぼす影響が大きいことから、学問と報道の自由に配慮しつつ、社会的問題が発生しないよう適切に広報がなされる必要がある。このため、推進本部は、地震調査研究の現状と成果の周知、報道の在り方等について、報道機関等と適宜、意見交換を実施していく。 また、地震発生の可能性について、国民が大きな不安を抱くような事態が生じた場合には、地震調査研究の知見を踏まえた検討結果を広報する。 |
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(3)発生した地震に関する情報の迅速な広報
1)広報する事項 〇地震活動等の評価結果 被害地震発生後等、緊急に総合的な評価を行う必要があると地震調査委員会が判断した場合に、臨時会が開催される。この臨時会における地震活動及び地殻変動の評価結果を、迅速に広報する。 2)関連事項 〇余震発生の可能性の評価について 大地震の後に発生する余震については、過去の地震観測結果の統計を利用すること等により、発生の可能性を評価できる場合がある。推進本部は、余震発生の可能性の評価の手法と、客観的な表現を用いた公表の在り方について、今後検討していく。 |
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5.当面の広報手段
(1)直接的な広報 〇インターネットの活用 職場、学校、家庭等でのコンピュータの普及により、インターネットが身近なものになりつつある。インターネットは、図面等を含む大量かつ多様な情報を、多数の人々に同時に伝達できること、最新の情報への更新が容易であること、24時間のアクセスが可能であること、必要な情報が選択できること、双方向で情報の入手が可能なこと等、従来の広報手段では実現できなかった多くの利点を有している。 このため、広報資料を通じてインターネットで常時広報を行っていることを周知するとともに、インタ−ネットを積極的に活用し、地震防災関係機関及び国民に直接情報を提供する。 〇セミナーとシンポジウム 国民の地震についての一般的知識を深めるとともに、地震調査研究の最近の成果を明らかにするため、各地でセミナー及びシンポジウムを開催する。 〇防災担当者等の研修 地方公共団体、民間企業等の防災担当者を対象として、地震についての情報、活断層調査等についての理解の促進のため、地震に関する知識についての研修を行う。 また、報道機関の防災報道担当者の研修について、報道機関と協議していく。 〇広報窓口の設置 地震防災関係機関、報道機関、国民等からの問い合わせに適切に対応できるよう、推進本部の庶務を処理する担当部局に広報担当を設け、外部からの問い合わせの窓口を明らかにする。 その他、様々な広報資料を用いて広報を行う。 |
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(2)間接的な広報
〇地方公共団体及び報道機関との協力 きめ細かな広報には、地方公共団体及び報道機関との協力が重要である。 このため、地方公共団体と緊密に連絡をとり、地方で説明会を開催する等の広報を行う。また、報道機関に対して積極的な発表、説明を行っていく。 他方、地方公共団体においては、地元のテレビ、ラジオ、新聞等の報道機関と協力して、住民に定期的な広報を行う等、広報に対する積極的な取組が期待される。 |
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以上を踏まえて、実施する広報の具体的事例は、別紙のとおりである。
別紙 定常的に行う広報の事例 |
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1.地震調査委員会の評価結果の説明
・説明の際に受けた質問等を踏まえ、Q&A集等の解説資料を作成する。 |
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2.地震調査委員会がとりまとめる都道府県単位毎の地震活動の特徴の広報
・地方公共団体の協力を得て、適宜、地域住民及び地方公共団体の防災担当者を対象に説明会を行う。 |
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3.広報資料の活用等
・資料は地震調査研究の進展に応じ適宜改訂する。 ・ニュースレターを毎月発行し、地震活動の現状評価、推進本部の活動状況等を広報する。 ・身体障害者や外国人等に配慮した資料を作成することが重要である。 ・地震防災関係者の便宜を図るため、我が国の地震調査研究の概要、推進本部の概要等を記した地震調査研究便覧を作成する。 ・過去の大きな地震から何十年、百年等を経た時期に、地震防災関係機関、地元自治体、報道機関等と協力して広報を行い、震災記憶の風化を防ぎ、地震知識の普及と防災意識の向上を図る。 |
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4.広報窓口の明確化
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5.東海地震について
このため、地震防災関係機関と連携をとりつつ、広報資料において東海地震についての知識、東海地域の地殻活動の現状等の解説、広報を行う。 |
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パンフレット・書籍・CD-ROM
(1)「日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−」(総理府地震調査研究推進本部地震調査委員会編、平成9年10月)
(2)「地震調査研究便覧 1997年版」(地震調査研究推進本部監修、平成9年11月)
(3)「日本の地震防災 強震観測」(科学技術庁、1998年(平成10年)1月)
(4)「Seismic Activity in Japan -Regional perspectives on the characteristics of destructive earthquakes- (Excerpt)」(Earthquake Research Committee, Headquarters for Earthquake Research Promotion, Prime Minister’s Office, Government of Japan, March 1998)
(5)「地震の発生メカニズムを探る 発生のしくみとこれからの調査研究」(科学技術庁、1998年(平成10年)6月)
(6)「大地震のあと、余震はどうなるか 確率をもちいた予測とその活用のために」(科学技術庁、1999年(平成11年)1月)
(7)「日本の地震防災 活断層」((財)地震予知総合研究振興会地震調査研究センター、1999年(平成11年)3月)
(8)「日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴− <追補版>」(総理府地震調査研究推進本部地震調査委員会編、平成11年3月)
(9)「CD-ROM版 日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴− <追補版>」(総理府地震調査研究推進本部地震調査委員会編、1999年(平成11年))
ビデオ
(1)「日本の地震防災 強震動観測」((財)地震予知総合研究振興会地震調査研究センター)
(2)「日本の地震防災 活断層」((財)地震予知総合研究振興会地震調査研究センター)
(3)「日本の地震防災 津波」((財)地震予知総合研究振興会地震調査研究センター)
セミナー・シンポジウム・研修会の開催実績
セミナー・シンポジウム
一般国民及び防災関係者に対し、地震に関する最新の調査研究成果の理解促進及び地震についての知識の普及等のため、地方公共団体と協力し、セミナー及びシンポジウムを開催している。
年度 | 開催回数 | 開催場所 | 参加者数平均 |
平成8年度 | 4 | 東京、松本、大阪、横浜 | 440 |
平成9年度 | 5 | 札幌、福岡、小田原、静岡(2回) | 380 |
平成10年度 | 6 | 岐阜、仙台、鹿児島、松山、高知、富士 | 340 |
平成11年度 | 7 | 金沢、立川、盛岡、京都、名古屋、広島、神戸 | 610 |
研修会
平成8年度〜平成10年度までは、地方公共団体の防災担当者を対象に、地震についての情報、活断層調査等についての理解の促進のため、地震に関する知識についての研修を行った。平成11年度は、活断層調査を実施又は実施予定の地方公共団体の担当者を対象に、活断層調査を円滑に進めるために必要な、活断層や地震に関する知識向上のため研修を行った。
年度 | 回数 | 開催場所 | 参加者数平均 |
平成8年度 | 2 | 東京(2回) | 100 |
平成9年度 | 6 | 京都、新潟、水戸、盛岡、高知、鹿児島 | 100 |
平成10年度 | 7 | 札幌、青森、大宮、横浜、川崎、千葉、長崎 | 130 |
平成11年度 | 1 | 東京 | 14 |