阪神淡路大震災以降の地震調査関連施策
通商産業省工業技術院
地質調査所における地震調査研究
地質調査所では、国家プロジェクトとして進められてきた地震予知(研究)計画の一翼を担って、昭和41年度より、主として地質学的観点から調査研究を実施してきた。
平成6年度からの第7次地震予知計画(平成6〜10年度)では地震発生ポテンシャル評価のため、活断層に関する調査研究、観測強化地域における地下水等の観測、大地震の震源核形成過程に関する実験学的な研究等を行った。
特に、活断層については、平成7年1月の兵庫県南部地震を契機に、全国的な地震発生の長期評価に資するため、活断層調査事業を平成8年度から開始している。また、地下水観測については、それまでに設置していた東海地域以外に、京阪神地域を初めとする「名古屋・京都・大坂・神戸地区」及び「長野県西部・岐阜県東部」地域に観測点の増強を図ってきた。
なお、平成11年度からは調査研究の細部を見直すことで、地震調査研究推進本部により策定された「地震に関する基盤的調査観測計画」及び「地震調査研究の推進について」、また測地学審議会により平成10年8月にまとめられた「地震予知のための新たな観測研究計画の推進について」との整合性のある調査研究を実施している。
機械技術研究所における地震調査研究
機械技術研究所では、野外地電流多点計測を実施し、観測信号と気象情報との比較解析によって、落雷に起因するノイズを除去することで抽出された異常信号と、地震発生との関連性を検討した。また、長波〜短波帯の電波受信レベル観測、地中音響観測、ガンマ線強度観測等従来の手法による観測も行い、記録された地電流異常信号の評価を行った。室内実験では、岩石・鉱物の破壊時の電磁気現象発生機構解明を目的とした実験を行った。
本研究テーマは、産業技術融合領域研究所F/Sテーマ「スマートセンシングとアクティブ耐震保全技術に関する調査研究」(平成10年)を経て、産業技術先導研究「産業機械システムの耐震防災技術開発」(平成11年〜12年)として結実した。
電子技術総合研究所における地震調査研究
電子技術総合研究所では、多点計測技術及び発生源同定技術の研究を実施し、地震と地震発生前の電磁界現象との関連性、有効な計測方法、多点計測の発生源特定への寄与性、地震の前兆現象としての活用性、等について研究を進めている。広域観測点による観測では、発生する電磁界が弱いものとなってしまうことから、群発地震が起こっている伊豆半島周辺に新たな観測点を設け、研究を実施している。また、広帯域の微弱信号検出を可能とするための移動型高温超伝導磁気センサーを新しく開発するなど、様々なアプローチを行っている。