運輸省におけるこの5年間の地震調査研究


運輸省においては、下記のように、本省港湾局、海上保安庁及び気象庁において地震調査研究等を実施してきている。

本省港湾局

・強震観測システム

 昭和37年以来全国港湾に設置してきた直轄の強震観測システムのオンライン化を平成8年度から順次着手し、地震後の迅速なデータ収集体制の構築を進めている。


海上保安庁

 海上保安庁では、水路業務で培った海底測量、測地技術を活用し、海底精密地形観測や海域地殻変動観測等、地震に関する調査研究に取り組んでいる。

・海底精密地形観測

 平成7年度以降、活動度の高い断層が想定される海域において活断層調査を開始し、東京湾、大阪湾、伊勢湾における活断層の分布とその活動履歴を明らかにした。また、平成9年度には、大型測量船「昭洋」を代替えし、従来の海底精密地形観測に加え、深海用サイドスキャンソナー「アンコウ」による精密海底反射強度観測および深海用マルチチャンネル音波探査を組み合わせたプレート境界域の活断層調査を、日本海溝の福島沖から開始した。

・海底地殻変動観測等

 海底地殻変動監視についても、従来から実施している離島等におけるGPS観測や験潮観測を継続するとともに、平成9年度から船舶航行支援用のDGPS網の地殻変動監視への活用、さらに離島の岩礁等におけるGPS観測の開始など、拡充を図っている。

 さらに、技術開発を進めてきた海底における地殻変動観測網についても、1km程度離れた海底間の距離の変化を年間数mmの精度で観測することに成功し、また、海底基準局を用いた地殻変動観測において、基準局の水平方向の動きを年間数cmの精度で観測する技術の実用化にも成功し、平成11年度には、12年度からの日本海溝での観測に備え、海底基準局の整備を実施している。


気象庁

 気象庁では、大学等関係機関からの地震観測データの一元化、東海地域等の地震予知のための観測研究やリアルタイムな地震情報の伝達の推進を図ってきている。(詳細については、気象庁(常時出席者)提出資料を参照。)


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